- つみたてNISAで投資するインデックスファンドはどれを選んだらいい?
- インデックスファンドを選ぶ際に気をつけた方がいいポイントは?
- 実際に比較した上でおすすめのインデックスファンドを教えてほしい!
これからつみたてNISAを始めてみようと決意したものの、投資対象として何を選んだらいいのか分からない…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私もつみたてNISAを2018年から始めましたが、当時は金融の知識もなかった学生だったので銘柄選びに苦労しました…
ただ、今は私自身もつみたてNISAを始めて5年目に突入しており、金融機関での勤務経験も経ているので、インデックスファンドの選び方のポイントもしっかり押さえています。
本記事では、以前の私のようにこれからつみたてNISAを始めようと考えているものの、銘柄選びに困っている人に向けておすすめのインデックスファンドを厳選して紹介します。
また、インデックスファンドを選ぶうえで重要な考え方も紹介しておりますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
この記事を書いた人
- AFP資格保有(FP実務経験あり)
- 過去に大手証券会社に勤務していた経験あり
- 金融系Webライター
インデックスファンドとは
インデックスファンドは株価指数などの指標に連動した運用を目指す投資信託のことを指します。
例えば、国内で有名な株価指数には「日経平均株価」があります。
日経平均株価は国内の代表的な225銘柄で構成されている株価指数で、それらの構成銘柄の日々の値動きを反映しながら変動しています。
そして、日経平均株価に連動するインデックスファンドというのは、運用会社が日経平均株価の値動きに連動するように組入銘柄を構成して運用しているんですね。(必ずしも同じ運用成果になるわけではない)
株価指数にも様々な種類がありますが、指数全体に投資をすることで幅広く分散することができ、運用コストも小さくなる点に大きなメリットがあります。
インデックスファンドがおすすめな理由
投資初心者の方がこれから投資を行うのであれば、まずはインデックスファンドに投資をすることをおすすめします。
主な理由は以下の3点。
- コストが低い
- 投資に関する難しい知識が不要
- 相対的に運用成績が良い
①コストが低い
インデックスファンドは指数に連動する運用成果を目指しているのでコストが非常に低いです。
指数よりも高い運用成果を目指すアクティブファンドでは、ファンドマネージャーを中心に様々なチームが組まれているので以下のようなコストがかかります。
- 銘柄に関する調査費用や売買コスト
- 運用会社に対する報酬
投資信託には「信託報酬」という投資信託を保有している間は絶対にかかるコストがあるのですが、つみたてNISA対象のアクティブファンドの信託報酬は1%前後になっています。
一方で、つみたてNISA対象のインデックスファンドでは信託報酬が0.1%をきっているものもあります。
長期的な視点で考えると、コストが運用成績に及ぼす影響も大きくなってくるのでなるべくコストが低いファンドを選んでおきたいです。
②投資に関する難しい知識が不要
インデックスファンドは指数に連動する運用成果を目指しているので、ファンドの値動きも非常に分かりやすいです。
例えば、日経平均株価に連動するインデックスファンドを保有している場合、その日の日経平均株価が1%上昇すれば、保有している日経平均インデックスファンドもほぼ同じ割合で上昇することになります。
TVのニュースやスマホの投資アプリ等で情報も入手しやすいですし、長期投資が前提であれば売り時を考える必要もありません。
アクティブファンドに投資をするとなると、最低でも年2回程度はファンドの中身を確認しておきたいですし、運用側に何か変化があったりすると売却も考えなければなりません。
③相対的に運用成績が良い
「指数に連動するインデックスファンドよりも優秀なファンドマネージャーが銘柄を分析しているアクティブファンドの方が運用成績はいいんじゃないの?」
と思われた方がいらっしゃるかもしれません。
でも実はインデックスファンドの方がアクティブファンドよりも相対的にいい運用成績を残しているんです。
インデックス投資の名著『敗者のゲーム』では、アメリカの格付会社S&P(スタンダード&プアーズ)の報告書に基づいて、S&P1500インデックスとアクティブ運用の成績を以下のように表現しています。
それによると、毎年3分の1のアクティブ・マネジャーしかインデックスに勝てない。さらに、1年間勝ったアクティブ・マネジャーでも翌年も勝てている人は、ほとんどいない。15年間のプロのマネジャーの成績を見ると、90%はインデックス投資に及ばない。さらに、勝っているマネジャーの成績も時間とともに確実に低下する。
『敗者のゲーム』チャールズ・エリス
≫【書評/要約】『敗者のゲーム』長期の運用方針を確立してインデックスファンドに投資せよ
銘柄分析に長けたプロでも長期にわたってインデックスファンドに勝ち続けるのは非常に難しいんですね…
失敗しないインデックスファンドの選び方
では、インデックス投資はどのようにして始めるのでしょうか。
以下の2つのステップを踏むことによってインデックス投資を適切に始められます。
- 資産配分を決定する
- 最適なインデックスファンドを選ぶ
①資産配分を決定する
投資商品を選ぶ前に、自身に適した資産配分を決めましょう。
つみたてNISAを10年や20年と長期にわたってリターンを得ることを目的とする場合は株式100%のポートフォリオを組んでも問題ないでしょう。
そして、株式100%のポートフォリオを組む場合は全世界の株式に分散投資することをおすすめします。
つみたてNISAで全世界株式に分散投資する方法は以下の2つです。
- 全世界株式インデックスファンド1本に投資する
- 国内株式、先進国株式、新興国株式の3本を組み合わせて投資する
全世界株式インデックスファンド1本に投資を行う場合は、ファンド1本で世界の株式時価総額を加重平均した割合で分散投資することができます。
国内株式、先進国株式、新興国株式の3本を組み合わせて全世界に分散投資をする場合は、それぞれの投資比率を決める必要があります。
目安が知りたいという方は「国内株式20%、先進国株式50%、新興国株式30%」を1つの参考にしてみてください。
あくまで全世界株式に分散投資を行うというのは一例ですので、米国株式に100%分散投資するとかでも構いません。
ぜひ、自分自身が納得できるような資産配分にしてください。
②最適なインデックスファンドを選ぶ
資産配分が決定したら、それぞれの対象ごとに最適なインデックスファンドを選んで投資しましょう。
インデックスファンドの選び方は非常に簡単です。
以下の3つのポイントを意識するだけで優秀なインデックスファンドを見つけることができます。
- コスト
- 純資産総額
- ベンチマークとの乖離
インデックスファンドは目標とする連動指数が同じ場合、中身はほとんど変わらないのでこの3つの基準が差別化できるポイントになります。
≫インデックスファンドの選び方が分かる!選ぶ基準は3つのポイントを意識すればOK!
中身が変わらないのであれば、コストは絶対に低い方がいいですし、コストが低いインデックスファンドに資金は集まるので純資産総額も大きくなります。
純資産総額が大きければ、規模のメリット(=スケールメリット)によって経費率が抑えられるようになり、結果として信託報酬が引き下がる可能性があります。
また、繰上償還される可能性も非常に小さくなります。
- 繰上償還
- ファンドの運用資産が少なくなり、効率のいい運用が難しくなった場合などに信託期間の途中で運用を中止し、償還すること。繰上償還が決まると、受益者(=ファンドの保有者)に受益権の口数に応じて信託財産が返還される。
そして、コストが小さく、純資産総額が大きいインデックスファンドというのはベンチマーク(対象指数)との乖離も相対的に小さくなる傾向があります。
なので、インデックスファンドを選ぶ際はコストと純資産総額だけは確認しておきたいです。
次項ではコストや純資産総額の観点からおすすめできるインデックスファンドを紹介しますので、選び方が分からないという方は参考にしてください。
【厳選】つみたてNISAで投資するべき銘柄
これまでの内容を踏まえて、つみたてNISAで投資すべきインデックスファンドを厳選して紹介します。
【横にスクロールできます】
ファンド名 | 投資対象 | 連動指数 | 信託報酬 | 純資産総額(百万円) |
---|---|---|---|---|
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | 全世界株式 大型/中型 | MSCI ACWI(日本含む) | 0.1144% | 410,654 |
SBI・全世界株式インデックス・ファンド | 全世界株式 大型/中型/中型 | FTSE Global All Cap Index | 0.1102% | 47,198 |
楽天・全世界株式インデックス・ファンド | 全世界株式 大型/中型/中型 | FTSE Global All Cap Index | 0.212% | 145,345 |
野村 スリーゼロ先進国株式投信 | 先進国株式 大型/中型 | MSCI KOKUSAI | 0% 【~2030/12/31】 | 2,696 |
eMAXIS Slim先進国株式インデックス | 先進国株式 大型/中型 | MSCI KOKUSAI | 0.1023% | 278,077 |
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 米国株式 大型 | S&P500 | 0.0968% | 971,294 |
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド | 米国株式 大型/中型/小型/超小型 | CRSP U.S. Total Market Index | 0.0938% | 57,872 |
楽天・全米株式インデックス・ファンド | 米国株式 大型/中型/小型/超小型 | CRSP U.S. Total Market Index | 0.162% | 463,842 |
eMAXIS Slim新興国株式インデックス | 新興国株式 大型/中型 | MSCI Emerging Markets Index | 0.1870% | 73,181 |
ニッセイ 日経平均インデックスファンド | 国内株式 大型 | 日経平均株価 | 0.154% | 30,505 |
eMAXIS Slim国内株式(日経平均) | 国内株式 大型 | 日経平均株価 | 0.154% | 19,390 |
ニッセイ TOPIXインデックスファンド | 国内株式 大型/中型/小型 | TOPIX | 0.154% | 42,800 |
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) | 国内株式 大型/中型/小型 | TOPIX | 0.154% | 42,967 |
iFreeJPX日経400インデックス | 国内株式 | JPX日経400 | 0.2145% | 2,096 |
各投資対象ごとの比較結果が知りたい方は以下の記事をご覧ください。
≫【つみたてNISA】全世界株式インデックスファンドの比較記事
≫【つみたてNISA】先進国株式インデックスファンドの比較記事
≫【つみたてNISA】米国株式インデックスファンドの比較記事
つみたてNISAでインデックス投資を始めよう!
以上、これからつみたてNISAを始める人に向けて、インデックス投資がおすすめな理由とおすすめのインデックスファンドを紹介させていただきました。
インデックスファンドは低コストで始められて、特別な投資の知識も不要、そして相対的に運用成績も良いので、初心者の方に非常におすすめです。
本記事のポイントを押さえていただければ、簡単にインデックス投資を始めることができますので、ぜひつみたてNISAのインデックスファンド選びに役立ててください。
また以下の記事では、つみたてNISAに対応している主要ネット証券6社について分かりやすく比較表をまとめた上でそれぞれの特徴や違いを紹介しています。
ぜひご自身にとって最適なネット証券選びに役立ててください。