記事公開日:2022年5月21日
初めまして!過去に大手証券会社での勤務経験があり、AFP資格保有者の東条翔平です。
当サイトでは投資の知識がない人でも躓くことなくつみたてNISAを始められるように、つみたてNISAの始め方を体系的に分かりやすくまとめました。
私自身も当時学生だった2018年1月に知識がない状態から独学でつみたてNISAを始めており、以降にわたって運用をずっと継続しています。【2022年より運用5年目】
現在はつみたてNISAの評価額も2,000,000円を超えました!
そんな私がこれまで身につけてきたつみたてNISAの知識や金融機関で働いてきた経験を活かして、これからつみたてNISAを始めようと考えている方々の手助けをさせていただきます。
- つみたてNISAを始める前に知っておいた方がいいこと
- つみたてNISAで投資するファンドの選び方
- 最適なネット証券の選び方・始め方
上記の内容さえ押さえていただければ、誰でも簡単につみたてNISAを安心して始めること可能です!
実体験を交えながら、なるべく投資知識がない方にも分かるような説明を心がけて書いておりますので、ぜひ一緒につみたてNISAを始めましょう!
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【Step1】つみたてNISAをはじめる前に知りたいこと
まずはつみたてNISAを始める前に知っておくと役立つ内容を3つ紹介します。
- つみたてNISAの制度を理解する
- つみたてNISAを始めるにあたって読んでおきたい本
- 生活防衛資金を構築する
つみたてNISAの制度を理解しよう!
これからつみたてNISAを始めるのであれば、まずは制度の概要を理解しておく必要があります。
既につみたてNISAの制度は理解しているという方は次に読み進めてください。
つみたてNISAは金融庁主導のもと、国民の資産形成を推進するために2018年1月からスタートした少額投資非課税制度です。
つみたてNISAを利用できる人 | 日本に在住していて、口座を開設する年の1月1日時点で20歳以上の人 |
非課税対象 | つみたてNISA対象の投資信託への投資から得られる分配金や譲渡益 |
口座開設可能数 | 1人1口座 |
非課税投資枠 | 年間40万円 (最大の非課税投資枠は20年間で800万円(=40万円×20年)) |
非課税期間 | 最長20年 |
投資可能期間 | 2018年〜2042年 |
投資対象商品 | 金融庁が定める長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 |
一言で簡単に表すならば、低コストの投資信託に少額から長期にわたって分散投資をすることができ、将来的に増えた利益の部分は課税されないといった素晴らしい制度です。
つみたてNISAのメリット・デメリットには以下のようなことが挙げられます。
- つみたてNISAの主なメリット
- ・少額から始められる
・運用益が非課税になる
・投資できる商品のラインナップが厳選されている
・投資タイミングの判断が不要 - つみたてNISAの主なデメリット
- ・元本割れの可能性がある
・非課税投資枠は年間40万円と少ない
・損益通算や繰越控除が使えない
・投資できる商品のラインナップが少ない
つみたてNISAの制度の詳細やメリット・デメリットについては以下の記事でまとめておりますので、詳しく知りたい方はご覧ください。
つみたてNISAを始めるにあたって読んでおきたい本
つみたてNISAの全体像を理解するうえで最もおすすめなのが本です。
私もつみたてNISAを始める前に本を読んだことで、つみたてNISAがどういうものなのか理解することができました!
ここでは、つみたてNISAを始めるにあたって読んでおくと良いおすすめの本を3冊紹介しますね。
- 『お金は寝かせて増やしなさい』水瀬ケンイチ
- 『「つみたてNISA」はこの7本を買いなさい』朝倉智也
- 『これからの投資の思考法』柴山和久
まず1冊目に紹介するのが水瀬ケンイチさんの著書『お金は寝かせて増やしなさい』です。
本書は”インデックス投資のバイブル”とも言われる本で、インデックス投資の始め方から取り崩し方まで丁寧に解説されています。
私もこれからつみたてNISAを始める方にはインデックスファンドを推奨していますが、本書を読んでいただければインデックス投資をすぐに始められます。
漫画と解説のバランスもよく非常に読みやすい本ですので、まずはこの1冊から読んでみてください!
≫【書評/要約】『お金は寝かせて増やしなさい』水瀬ケンイチ|インデックス投資のバイブル
2冊目に紹介するのはモーニングスター代表朝倉智也さんの著書『「つみたてNISA」はこの7本を買いなさい』です。
本書はつみたてNISAの制度概要からリバランスまで網羅的に分かりやすく解説されているので、これからつみたてNISAを始めるにあたって入門書として最適な本です。
特につみたてNISAの投資対象(ファンド)を選ぶ基準や考え方を学べる点が参考になります。
≫【書評】『「つみたてNISA」はこの7本を買いなさい』を読めばファンドの選び方が分かる!
3冊目に紹介するのはウェルスナビCEO柴山和久さんの著書『これからの投資の思考法』です。
本書はつみたてNISAに特化している本ではありませんが、世界的にスタンダードな運用手法である「長期・積立・分散」投資の重要性が学べる非常に素晴らしい内容となっています。
これからつみたてNISAで長期の資産運用を続けていくのであれば、知っておくと有利になる内容が様々な図やデータをもとに分かりやすく学べるのでぜひ読んでみてください。
≫【書評】『これからの投資の思考法』柴山和久(ウェルスナビCEO)
生活防衛資金を構築する
つみたてNISAに限らず、投資を始めるのであれば生活防衛資金を確保しておきましょう。
- 生活防衛資金
- 失業・病気・災害などによる収入の減少・停止に備える資金のこと。有事の際に自分を守る役割を果たす。
生活防衛資金を構築しておくことで、病気や災害、交通事故、失業といったような不測の事態が起こった時でも生活水準を落とさずに生活することができます。
投資は余裕資金で行うものですので、生活防衛資金が確保されていれば安心して投資を継続できるといったメリットがあります。
また、長期にわたって投資を継続していると〇〇ショックと言われるような大暴落に巻き込まれることも起こり得ます。
このような事態でも生活防衛資金が別途確保されていると焦って売却してしまう可能性も少なくなるので、精神的に支えてくれる効果もあります。
私も2020年のコロナショックで-30%ほど相場が下落する経験をしましたが、生活防衛資金を確保していたおかげで耐えることができました。
生活防衛資金の役割や必要金額については以下の記事で解説しておりますので、まだ生活防衛資金を構築していない方は参照ください。
【Step2】つみたてNISAで投資する商品を選定する
次につみたてNISAで投資する商品を決めましょう。
ただ、つみたてNISAの対象商品は金融庁が長期の積立・分散投資に適した低コストの投資信託を厳選しているとはいえ、200本近くのファンドが存在します。
これだと数ある投資信託の中からどれを選んだらいいか分からないという人がいてもおかしくありませんね。
というわけで、投資初心者の方がつみたてNISAで投資すべき商品を厳選して紹介していきます!
投資初心者はインデックスファンドがおすすめ!
つみたてNISAで投資できる投資信託には大きく2つに分けると「インデックスファンド」と「アクティブファンド」があります。
- インデックスファンド
- 株価指数などの指標に連動した運用成果を目指す投資信託のこと。ベンチマーク(目安)となるインデックスには、日経平均株価やS&P500のほか、様々な指標があります。例えば、S&P500指数に連動するインデックスファンドだと、投資信託の中身はS&P500に採用されている同じ銘柄で構成され、組入比率も指数への影響度に応じた割合となります。
- アクティブファンド
- 目安となる指数を上回る成績を目指す投資信託のこと。アクティブファンドはファンドマネージャーが投資先の企業を調査・分析することで組入銘柄を決定しているため、インデックスファンドよりもコストが高くなります。
インデックスファンドとアクティブファンドのどちらに投資をする方がいいのか一概に言うことはできませんが、投資初心者に限って言えばインデックスファンドをおすすめします。
投資初心者の方にインデックスファンドを推奨する理由は以下の3つです。
- コストが低い
- 投資に関する難しい知識が不要
- 相対的に運用成績が良い
これから長期にわたって運用を継続することを考えると、コストの大小は運用成績にも大きく影響を与えるので、できる限りコストは低い方が良いです。
つみたてNISAの対象に選ばれている低コストのインデックスファンドとアクティブファンドのコスト(信託報酬)は約10倍の差があります。
インデックスファンド | アクティブファンド |
0.10%前後 | 1.0%前後 |
このようなコスト差も大きく影響していますが、実際のところ長期にわたってインデックスファンドの運用成績を上回るアクティブファンドはごくわずかしかありません。
≫【書評/要約】『敗者のゲーム』長期の運用方針を確立してインデックスファンドに投資せよ
低コストのインデックスファンドを用いて長期分散投資をする
結論、上記の投資法が投資の知識がなくても簡単に始められて、管理する手間も少なく継続しやすいので、投資初心者の方にとって最善の一手(定石)だと思っています。
インデックスファンドを選ぶポイント
インデックスファンドにもたくさんの種類があるので、選ぶファンドによって投資対象が異なります。
投資するインデックスファンドは以下の手順で選ぶと良いですよ!
- 投資する地域を定める
- 同じカテゴリーのインデックスファンドの中から投資する商品を決める
まずはどこの地域に投資をするか対象を絞りましょう。
つみたてNISAで投資できるインデックスファンドは主に「国内」「米国」「先進国」「新興国」「全世界」の株式と様々な資産を組み合わせた「バランスファンド」があります。
これらの投資対象のうち、投資初心者の方におすすめしているパターンは以下の4つです。
- 全世界株式1本に投資する
- 国内株式、先進国株式、新興国株式の3本に投資する
- 米国株式1本に投資する
- 全世界の様々な資産にバランスよく投資する
どれにしたらいいか分からないという方は「全世界株式1本に投資する」ことをおすすめしています!
投資する対象が決まったら、同じ指数に連動するインデックスファンドの中から投資する商品を決めましょう。
同じ指数に連動するインデックスファンドの場合、投資信託の中身はほとんど変わらないので以下の3つの基準で差別化すると良いです。
- コスト
- 純資産総額
- ベンチマークとの乖離
基本的に上記の3つの項目は相互に作用しているので、投資するカテゴリー内でコストが低くて、純資産総額が大きいファンドを選べばOKです!
具体的に商品を挙げるとするならば、業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指し続けていて、多くの投資家から支持されている「eMAXIS Slim」シリーズがおすすめです。
先ほど例示した4つのカテゴリーでも「eMAXIS Slim」シリーズの投資信託が低コストかつ純資産総額も大きくなっています。
具体的におすすめの銘柄が知りたいという方は以下を参考にしてください!
- 全世界株式1本に投資
- ・eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
- 国内株式、先進国株式、新興国株式の3本に投資
- ・eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)
・eMAXIS Slim先進国株式インデックス
・eMAXIS Slim新興国株式インデックス - 米国株式1本に投資
- ・eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
- 全世界の様々な資産(株式、債券、不動産)にバランスよく投資
- ・eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
【Step3】ネット証券で口座開設して始める
つみたてNISAを始めるにあたって絶対に必要となるのがつみたてNISAの口座です。
つみたてNISAの口座は証券会社や銀行で作成することができますが、個人的にはネット証券一択だと思っています。
というのも、私自身が大手証券会社で働いていた経験があり、内部事情を知っている立場からすると対面型の銀行や証券会社でつみたてNISAを始めるメリットが皆無だからです。
さらにネット証券のつみたてNISAは以下の点で対面型の金融機関より優れています。
- ファンドの取扱本数が圧倒的に多い
- 積立金額や積立頻度をより柔軟に設定できる
- ポイントサービスが充実している
詳しい内容については以下の記事で紹介しておりますので、併せて参照ください。
【つみたてNISA対応】おすすめのネット証券6社
これからつみたてNISAを始める人におすすめの主要ネット証券6社を比較表にまとめました。
証券会社 | SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | 松井証券 | auカブコム証券 | LINE証券 |
口座開設数 | 800万 (2021/12) | 700万 (2021/12) | 200万 (2022/1) | 138万 (2022/1) | 137万 (2022/1) | 100万 (2021/11) |
つみたてNISA 対象ファンド数 | 179本 | 181本 | 152本 | 173本 | 171本 | 9本 |
最低積立金額 | 100円以上 1円単位 | 100円以上 1円単位 | 100円以上 1円単位 | 100円以上 1円単位 | 100円以上 1円単位 | 1000円以上 1円単位 |
積立頻度* | 毎月、毎週、毎日 | 毎月、毎日 | 毎月、毎日 | 毎月 | 毎月 | 毎月 |
ボーナス月設定 | 対応 | 対応 | 対応 | 非対応 | 対応 | 非対応 |
対応ポイント | Tポイント Pontaポイント dポイント Vポイント | 楽天ポイント | マネックスポイント | 松井証券ポイント | Pontaポイント | LINEポイント |
クレカ積立 | 対応 (三井住友カード) | 対応 (楽天カード) | 対応 (マネックスカード) | 非対応 | 対応 (au PAYカード) | 非対応 |
クレカ積立 ポイント付与率** | 0.5% | 0.2%【2022/9~】 *楽天キャッシュで0.5~1% | 1.1% | – | 1% *au回線やUQ mobileの活用でup | – |
投信マイレージ | 投資信託の月間平均保有金額に応じて毎月付与 | 投資信託の残高が定められた金額に初めて到達した場合 | 投資信託の月間平均保有残高に応じて毎月付与 | 投資信託の保有金額に応じて松井証券ポイントまたは現金を毎月還元 | 投資信託の月間平均保有残高に応じて毎月付与 | 非対応 |
投信保有による ポイント付与率*** | 0.042% | – | 0.03% | 0% | 0.005% | – |
銀証連携 | SBIハイブリッド預金で普通預金金利が年0.01%に (住信SBIネット銀行) | 楽天銀行の普通預金金利が年0.1%に (残高300万円まで) | – | – | auじぶん銀行の普通預金金利が年0.1%に (au PAY等の連携で最大0.2%) | – |
特徴 | ・ネット証券口座開設数No.1 ・サービスやコスト面でも総合力No.1のネット証券 | ・SBI証券と肩を並べるトップレベルのネット証券 ・アプリの操作がしやすく、無料で使える高機能ツールも充実 | ・通常カードによるクレカ積立ポイント還元率No.1 ・高機能の銘柄分析ツール「銘柄スカウター」が人気 | ・松井証券のオリジナルロドアドバイザー「投信工房」が利用可能 ・電話でのサポート体制が充実 | ・au経済圏のネット証券 ・三菱UFJ×KDDIの共同運営。ネット証券の中でも財務格付けは最高 | ・20代投資家が選ぶ「スマホで使いやすい」ネット証券No.1 ・LINEポイントがつみたて投資に使える |
おすすめ対象者 | 迷ったらSBI証券にしておけばOK! | 楽天経済圏のサービスを利用している人におすすめ! | クレカ積立のポイント還元率を重視する人におすすめ! | ロボアドバイザーなどのサポートを受けたい人におすすめ! | auのサービスをよく利用している人におすすめ! | LINEアプリ1つで資産運用を完結させたい人におすすめ! |
詳細記事 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
基本的にどこのネット証券でも投資できる内容に大きな差はないため、自身がよく使うポイントサービスに紐づいて選んでいただければOKです!
自身にとって最適なネット証券の選び方や各社の特徴や違いをもっと詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
クレカ積立で投資信託の買付設定をしよう!
ネット証券でつみたてNISAの口座を開設して投資する商品が決まってさえすれば、あとは積立設定をするだけです。
この積立設定を行う際には非常に大きなメリットが得られるクレカ積立サービスを活用しましょう。
クレカ積立
毎月積立設定をしている投資信託の買付をクレジットカードで決済できるサービス
クレカ積立サービスを活用するメリットは主に3つあります。
- 積立金額に応じてポイントが貯まる
- 証券口座に入金する手間が省ける
- 貯まったポイントを投資に回すことができる
最大の魅力は積立金額に応じてポイントが付与されるということです。
ネット証券によってクレカ積立によるポイントの還元率は異なるものの、毎月の投資信託の積立でポイントがもらえるようになります。
また、クレカ積立の設定をしておくと、毎月の投信積立時にわざわざ銀行口座や証券口座に入金する手間が省けるのも非常に大きなメリットです。
主要ネット証券5社のクレカ積立サービスの比較や相性のいいクレジットカードについては以下の記事で紹介しております。
自身にとって最適なネット証券でつみたてNISAを始めよう!
少しボリュームが多いと感じられた方もいらっしゃるかもしれませんが、これまで説明してきた内容を参考にしていただければ投資未経験の方でもつみたてNISAを始められます。
最後にこれまで紹介してきた内容を踏まえたうえで、各ネット証券ごとのつみたてNISAの始め方ガイドをまとめました。
もし、ここまで読まれてもどういう風にしたらいいか分からないといった方がいれば、ぜひ参考にしてみてください。
▼主要ネット証券でのつみたてNISA始め方ガイド▼
以上がこれからつみたてNISAを始めたいと思っている人に向けて私がお伝えしたかった全ての内容です。
私自身も知識がない状態からつみたてNISAで資産運用をスタートし、現在までつみたてNISAを継続してきました。
これまでつみたてNISAで運用してきた中で感じたことや金融機関に勤めていた経験も活かして、自分なりのつみたてNISAの定石(最善の手順)をまとめたつもりです。
ぜひ、当サイトを参考に1人でも多くの方につみたてNISAを始めていただけたらと思っています。
今後も当ブログではつみたてNISAに役立つ内容をブラッシュアップして発信していきます。
もし、つみたてNISAを始めるにあたってここが分からないといった点があれば気軽にお問い合わせください。
私がお答えできる範囲であれば、全力で回答させていただきます。