つみたてNISAでインデックスファンドに投資をしようと考えているけれど、銘柄(ファンド)選びに失敗したくない…と思っていないでしょうか。
つみたてNISA対象のインデックスファンドも結構な本数があるので、なかなか絞り切れないですよね。
ただ、インデックスファンドの選び方にもしっかりとしたコツがあるんです!
本記事では、インデックスファンドを選ぶ際に重視したい3つのポイントを紹介していきます。
この記事を読んでしっかりポイントを押さえていただければ、適切なインデックスファンドを簡単に選べるようになります。
インデックスファンドを選ぶ際に重視したい3つの基準
先に結論を述べておくと、インデックスファンドを選ぶ際に重視したいポイントは以下の3つです。
- コスト
- 純資産総額
- ベンチマークとの乖離
インデックスファンドは目標とする連動指数が同じ場合、中身はほとんど変わらないのでこの3つの基準が差別化できるポイントになります。
①コスト
インデックスファンドは特定の株価指数に連動した運用成果を目指す投資信託です。
なので、目標とする連動指数が同じ場合、中身はほとんど変わりません。
例えば、つみたてNISA対象の日経平均株価に連動するインデックスファンドは2021年11月末時点で17本あるのですが、基準価額の日々の動きはほとんど同じです。
明確に基準価額の動きが同じであることが分かっているのであれば、コストは低い方が絶対にいいです。
インデックスファンドはできる限りコストの低いものに投資をするという鉄則をぜひ覚えておいてください。
では、投資信託にかかる3つのコストについて説明させていただきます。
投資信託には買付時にかかる「買付時手数料」、投資信託を保有している間にかかる「信託財産留保額」、投資信託を解約する際に発生する「信託財産留保額」の3つのコストがあります。
買付時手数料
…投資信託を購入する時に販売会社である証券会社や銀行などで注文を取り次ぎするための対価として支払う手数料のこと。
信託報酬
…投資信託を管理・運用してもらうための経費として、投資信託を保有している間はずっと投資家が支払い続ける費用のこと。ただし、別途支払うのではなく、信託財産の中から「純資産総額に対して〇%」といった形で毎日差し引かれる。
信託財産留保額
…投資信託を解約する際に投資家が支払う費用のこと。ただし、別途投資家が支払うのではなく、「基準価額に対して〇%」といった形で解約代金から差し引かれる。
つみたてNISAの対象ファンドは「買付時手数料」がかからないので、意識すべきは「信託報酬」と「信託財産留保額」の2つです。
「信託報酬」は投資信託を保有する以上、絶対にかかるコストなので、できる限り信託報酬が低いものを選ぶことをおすすめします。
「信託財産留保額」に関してはかかるものとかからないものがあるので、信託財産留保額がかからないものを選ぶようにしましょう。
②純資産総額
インデックスファンドに投資をする場合、できる限り純資産総額が大きいファンドを選ぶのも鉄則です。
理由は以下の2点になります。
- 信託報酬が引き下がる可能性がある
- 繰上償還される可能性が低くなる
まず、純資産総額が大きいと規模のメリット(=スケールメリット)によって経費率を抑えられるようになり、結果として信託報酬が引き下がる可能性があります。
例として、私もお世話になっている「eMAXIS Slim」シリーズを挙げたいと思います。
「eMAXIS Slim」シリーズは業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指し続けていますが、ご覧のとおり純資産総額の拡大とともに信託報酬を引き下げ続けています。
先ほどインデックスファンドはできる限りコストを少なくした方がいいと述べましたが、こんな感じで信託報酬を引き下げてくれるのは投資家としては非常にありがたいんですよね。
また、純資産総額が大きいほど繰上償還される可能性が低くなります。
繰上償還とは、ファンドの運用資産が少なくなり、効率のいい運用が難しくなった場合などに信託期間の途中で運用を中止し、償還することです。
繰上償還が決まると、受益者(=ファンドの保有者)に受益権の口数に応じて信託財産が返還されます。
せっかく長期の視点で運用をしようと考えているのに、途中で繰上償還してしまうと再度運用の計画を立て直さなければなりません…
以上の2つの観点を踏まえると、純資産総額の目安としては30億円以上が望ましいと言われているので、特に初心者の方はこの数字を意識してみてください。
③ベンチマークとの乖離
これまで紹介してきたコストと純資産総額よりも重要度は落ちますが、ベンチマークとの乖離も確認しておくとさらに良いです。
「インデックスファンドって目標とする指数への連動を目指しているからベンチマーク(各種指数)と同じ動きをするんじゃないの?」と思われた方もいらっしゃると思います。
実は、インデックスファンドは指数との連動する運用成果を目指しているものの、必ずしも一致する訳ではないんです。
インデックスファンドを運用する場合、ファンドマネージャーが株を売買する時に取引手数料がかかったり、ファンドの監査費用がかかったりします。
また、ファンドを解約する人のために現金を確保する必要もあったりします。
このように指数への連動を目指していても売買のタイミングや偏りなど様々な条件が組み合わさった結果、ファンドの成績がベンチマークとズレてしまうことをトラッキングエラーと言います。
そして、覚えていただきたいのはこのトラッキングエラーは小さいほうがいいということです。
一般的にはいいインデックスファンドはトラッキングエラーが小さく、悪いインデックスファンドはトラッキングエラーが大きくなる傾向があると言われています。
インデックスファンドの運用者の腕の見せ所でもあるので、1つの参考にしていただければと思います。
トラッキングエラーはファンドの運用報告書から確認するのが最も簡単です。
設定以来の運用実績の欄からファンドとベンチマークの期中騰落率を比較してみましょう。
コストと純資産総額を最優先にインデックスファンドを選定し、最後に簡単な確認としてベンチマークとの乖離を見ておくぐらいで十分です。
また、以下の記事では楽天証券でトラッキングエラーを確認する方法を紹介しておりますので、気になる方は併せて参考にしてください。
≫トラッキングエラーの調べ方をわかりやすく解説します!【目安よりも比較が重要】
まとめ:優秀なインデックスファンドはこれらの基準を満たしている
以上、インデックスファンドを選ぶ際に重視したい3つのポイントについて解説させていただきました。
インデックスファンド選びで失敗しないためには、以下の3つのポイントを重視して選べばOKです!
- コスト
- 純資産総額
- ベンチマークとの乖離
基本的にこの3つの条件は相互作用しています。
コストが低いインデックスファンドは投資家からの人気も集まるので、純資産総額が大きくなります。
そして、純資産総額が大きくなると、規模のメリット(=スケールメリット)によって信託報酬が引き下がる可能性があります。
さらに純資産総額が大きいと運用も安定し、コストが低いとベンチマークとの乖離も小さくなっていきます。
この3つのポイントを意識していただければ、優秀なインデックスファンドと簡単に出会えますのでぜひ参考にしてください。
加えて、つみたてNISAは長期で資産形成に取り組んでいくものなので、信託期間が無期限のものを選ぶようにするとなお良いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。