つみたてNISAやインデックス投資に関する情報を調べていると、一度は”トラッキングエラー”という単語を見聞きしたことがあるのではないでしょうか。
- トラッキングエラーってどういう意味?
- トラッキングエラーってどうやって調べるの?
- トラッキングエラーを調べる必要性はある?
”トラッキングエラー”に関して上記のような疑問を感じている方もいらっしゃるかと思いますので、本記事にてトラッキングエラーの基本的な内容と調べ方についてわかりやすく解説していきます。
”トラッキングエラー”という言葉だけ聞くと何か難しそうなイメージを抱いてしまいますが、概要を押さえることは簡単です。
また、インデックスファンドを選ぶ際に”トラッキングエラー”を知っていると、複数のファンドを比較してより優れたファンドを選別することもできます。
トラッキングエラーに関して、簡潔に内容を押さえたいという方やトラッキングエラーの調べ方を知りたい方はぜひ本記事を参考にしていただければと思います。
この記事を書いた人
- AFP資格保有(FP実務経験あり)
- 過去に大手証券会社に勤務していた経験あり
- 金融系Webライター
トラッキングエラーとは
トラッキングエラーを簡単に一言で表すと、投資信託(ファンド)とベンチマークの乖離のことです。
例えば、TOPIX(東証株価指数)に連動する投資成果を目指して、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)」に投資をするとします。
「eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)」はベンチマークであるTOPIXの動きに近似するように設計されているのですが、実際は売買のタイミングや偏りなど様々な条件が組み合わさることで完全に一致しないんです。
この誤差のことをトラッキングエラーと呼びます。
トラッキングエラーはファンドのリターンとベンチマークのリターンとの差異を年率標準偏差で算出します。(詳細の式を知りたい方はファイナンス用語集をご覧ください。)
まだ理解するのが難しいという方が多いと思いますが、現時点ではトラッキングエラーは小さければ小さいほどいいということを覚えておいてください。
トラッキングエラーの調べ方
トラッキングエラーを自分で算出するのは非常に時間がかかるため、既にトラッキングエラーを算出してくれているサイトを参考にするのが非常に便利です。
今回は楽天証券での確認方法を紹介させていただきます。
先ほどと同じように「eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)」を例に用いますね。
調べ方は非常に簡単で、まずは投資対象として気になっているファンドを楽天証券の投信スーパーサーチで探し、以下の商品のページを開いてください。
そして、この画面から下にスクロールしていくと、「リスクリターン(税引前)詳細」という項目が見つかります。
すると、下から3つ目に「トラッキングエラー(TE)」という項目が見つかると思います。
「eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)」の3年のトラッキングエラーは2.44となっていますね。
これは、ファンド(eMAXIS Slim国内株式(TOPIX))のリターンがベンチマーク(TOPIX)のリターンの±2.44%の範囲に収まる確率が約68%であることを意味しています。
トラッキングエラーの算出式と同様、意味分かんないという感じだと思いますが、このトラッキングエラーの数値が小さければ小さいほどいいということだけご理解いただければ十分です。
トラッキングエラーは目安よりも比較が重要
トラッキングエラーの調べ方を紹介させていただきましたが、この数値以下が望ましいといった明確な目安はありません。
それよりも同じ指数に連動するインデックスファンドの数値を比較することの方が重要です。
先ほどは楽天証券でのトラッキングエラーの調べ方を紹介しましたが、SBI証券だと楽天証券とはまた算出方法が異なっているので数値も違います。
なのでトラッキングエラーを比較する場合は、楽天証券かSBI証券のどちらかのサイトで気になるインデックスファンド(同じ指数に連動することが前提)の数値を比較するようにしましょう。
私はインデックスファンド選びのポイントとして、
- コスト
- 純資産総額
- ベンチマークとの乖離(トラッキングエラー)
の3つを挙げていますが、中でも重要なのは「コスト」と「純資産総額」です。
≫インデックスファンドの選び方が分かる!選ぶ基準は3つのポイントを意識すればOK!
トラッキングエラーも確認しておくに越したことはありませんが、重要度は落ちます。
コストと純資産総額の観点からファンドを選び、もし複数選択肢が残った場合はトラッキングエラーを比較してみると1つ参考になるのではないかと思います。
当ブログでは、ベンチマークごとにインデックスファンドのコストや純資産総額などの情報を比較しておりますので、今後もぜひ参考にしていただければ幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。