- これからつみたてNISAを始めてみようと思っているけれど、何に投資したらいいの?
- 三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slimシリーズがおすすめって聞くけど本当?
- eMAXIS Slimシリーズの中からどれを選んで投資をしたらいいか分からない…
つみたてNISAで投資するファンドを選ぶときに、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim(イーマクシススリム)」シリーズを一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
「eMAXIS Slim」シリーズは商品性やコンセプトが非常に素晴らしく、様々な投資家から圧倒的な支持を集めています。
私もeMAXIS Slimシリーズには3本ほど投資をしており、つみたてNISAを始めた頃からお世話になっています。
これからつみたてNISAを始めるのであれば、「eMAXIS Slim」シリーズに投資をすることは最適解の1つです。
本記事では「eMAXIS Slim」シリーズへの投資がおすすめな理由を紹介します。
また、つみたてNISAの対象にも選ばれている9本のファンドを比較したうえで、「eMAXIS Slim」シリーズの組み合わせ方も参考例として提示させていただきます。
これからつみたてNISAを始めようと考えている方に参考になる内容となっておりますので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
この記事を書いた人
- AFP資格保有(FP実務経験あり)
- 過去に大手証券会社に勤務していた経験あり
- eMAXIS Slimシリーズを3本愛用
つみたてNISA対応のeMAXIS Slimシリーズは全9本
「eMAXIS Slim(イーマクシススリム)」は三菱UFJ国際投信が業界最低水準のコストにこだわって運用を手がけている投資信託のブランドです。
ファンドの分類としてはインデックスファンドに該当し、様々な指数に連動するためにラインナップが充実しています。
現在「eMAXIS Slim」シリーズは全部で13本設定されており、うちつみたてNISAに対応しているのは以下の9本です。
ファンド名 | 連動指数 | 信託報酬 | 純資産総額 【百万円】 |
---|---|---|---|
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) | TOPIX | 0.154% | 44,933 |
eMAXIS Slim国内株式(日経平均) | 日経平均株価 | 0.154% | 20,010 |
eMAXIS Slim先進国株式インデックス | MSCI KOKUSAI | 0.1023% | 287,212 |
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | S&P500 | 0.0968% | 1,001,546 |
eMAXIS Slim新興国株式インデックス | MSCI Emerging Market | 0.1870% | 72,457 |
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | MSCI ACWI(日本含む) | 0.1144% | 426,709 |
eMAXIS Slim全世界株式(除く日本) | MSCI ACWI(日本除く) | 0.1144% | 116,085 |
eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型) | TOPIX MSCI KOKUSAI MSCI Emerging Market | 0.1144% | 4,646 |
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) | 株式(国内、先進国、新興国)/債券(国内、先進国、新興国)/REIT(国内、先進国) | 0.154% | 130,348 |
eMAXIS Slimシリーズをおすすめできる3つの理由
これからつみたてNISAを始めようと思っているものの、何に投資をしたらいいのか分からないという方は「eMAXIS Slim」シリーズに投資することをおすすめします。
インデックス投資なら投資初心者でも安心して始められますし、インデックスファンドの中でも「eMAXIS Slim」シリーズの商品性が優れているからです。
特に「eMAXIS Slim」シリーズは以下の3つの点が優れています。
- 業界最低水準のコスト
- 純資産総額が順調に増加している
- ベンチマークとの乖離も小さい
①業界最低水準のコスト
eMAXIS Slimシリーズは業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続けています。
インデックスファンドはコストが低いものに投資をするのが鉄則ですが、eMAXIS Slimシリーズはいずれのカテゴリーでも最低水準に近い信託報酬となっています。
投資信託の信託報酬は0.5%~1.5%の範囲で設定されているものが多いなか、eMAXIS Slimシリーズの信託報酬は0.1%前後と非常に低コストです。
またすごいのが、既に低コストであるにもかかわらず、さらに信託報酬を引き下げる努力を続けているんですよね。
私も2018年からeMAXIS Slimシリーズを保有していますが、信託報酬が引き下がることを知るたびにビックリしてます。
②純資産総額も順調に増加
eMAXIS Slimシリーズは業界最低水準のコストを実現しており、投資家からの評価も非常に高いので純資産総額も順調に増加し続けています。
なんと、2021年12月16日にeMAXIS Slimシリーズの純資産総額合計が2兆円を突破しました。
インデックス投資において、純資産総額の大きさはコストと並んで重要です。
純資産総額が大きくなると、規模のメリット(=スケールメリット)によって経費率が抑えられるようになり、結果として信託報酬が引き下がる可能性があります。
上述のとおり、実際にeMAXIS Slimシリーズは純資産総額の増加とともに信託報酬が引き下がっていますね。
また、eMAXIS Slimシリーズくらいの規模になると繰上償還される可能性が極めて低いのも安心です。
- 繰上償還
- ファンドの運用資産が少なくなり、効率のいい運用が難しくなった場合などに信託期間の途中で運用を中止し、償還すること。繰上償還が決まると、受益者(=ファンドの保有者)に受益権の口数に応じて信託財産が返還される。
③ベンチマークとの乖離も小さい
eMAXIS Slimシリーズは低コストかつ純資産総額が非常に大きいため、ベンチマーク(指数)との乖離も相対的に小さくなっています。
インデックスファンドは目標とする指数に連動するような成果を目指して運用が行われています。
しかし、実際は売買のタイミングや偏りといった様々な条件が組み合わさることでファンドとベンチマークの運用成績は完全に一致しません。
このベンチマークとファンドのリターンの誤差をトラッキングエラーと呼びます。
そして、トラッキングエラーは小さいほどインデックスファンドとしては優秀です。
eMAXIS Slimシリーズのトラッキングエラーは同じ投資対象のファンドと比較をしても相対的に小さく、優秀であることが分かります。
先述のコストや純資産総額よりも優先度は落ちますが、eMAXIS Slimシリーズはベンチマークとの乖離も小さいのでおすすめです。
≫トラッキングエラーの調べ方をわかりやすく解説します!【目安よりも比較が重要】
投信ブロガーからの評判も非常に良い
eMAXIS Slimシリーズは投信ブロガーをはじめ、様々な投資家から絶大な支持を誇っています。
「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year2021」では、eMAXIS Slimシリーズは1位を含めて6本のファンドがトップ20位入りを果たしています。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | 1位 |
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 4位 |
eMAXIS Slim先進国株式インデックス | 6位 |
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) | 14位 |
eMAXIS Slim全世界株式(除く日本) | 16位 |
eMAXIS Slim新興国株式インデックス | 20位 |
eMAXIS Slimシリーズが多くの投資家に愛されていることが分かります!
「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」に関しては2019年から3年間ずっと1位に輝き続けています。
投信ブロガーが金融機関の宣伝や謳い文句に惑わされず、本当に良いと思う投資信託を選んで投票しているので参考になりますね。
eMAXIS Slimシリーズのおすすめの組み合わせはどれ?
eMAXIS SlimシリーズはこれからつみたてNISAを始める人に非常におすすめですが、かといって9本のファンドの中からどれに投資すべきか分からないという人もいると思います。
そこで、eMAXIS Slimシリーズの投資例を参考としていくつか紹介します。
私が友人につみたてNISAの具体的な銘柄を紹介する際も以下のような組み合わせで紹介することが多いです。
- 全世界株式1本に投資
- 国内株式、先進国株式、新興国株式の3本に投資
- 米国株式1本に投資
- 全世界の様々な資産にバランスよく投資
1つずつ具体的に紹介していきますので、気になったものがあればぜひ取り入れていただけると嬉しいです。
全世界株式1本に投資
一番シンプルで王道なのが全世界株式1本に投資をするという手法です。
この場合、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」に投資をします。
ファンド名 | eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) |
設定日 | 2018/10/31 |
決算日 | 4月25日 |
投資対象 | 全世界株式(日本含む) |
連動指数 | MSCI All Country World Index |
信託報酬 | 0.1144% |
実質コスト | 0.178% |
純資産総額 | 4267.09億円 |
「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」はMSCI ACWI(MSCI All Country World Index)という指数に連動する成果を目指しているインデックスファンドです。
- MSCI ACWI Index
- 米MSCI(モルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナル)社が公表する世界の株式を対象とした時価総額加重平均型の株価指数。当指数から日本と新興国を除外したものが、MSCIコクサイ・インデックスとなる。
つまり、この1本に投資するだけで日本を含む全世界の株式に幅広く分散投資することができます。
投資銘柄数は約3,000銘柄で、世界の株式時価総額の約85%をカバーしています。
組入上位の国別の投資比率を見ると以下のとおり。
アメリカ | 59.9% |
日本 | 5.4% |
イギリス | 3.8% |
カナダ | 3.0% |
フランス | 2.8% |
スイス | 2.5% |
ドイツ | 2.1% |
ケイマン諸島 | 2.0% |
オーストラリア | 1.8% |
台湾 | 1.7% |
非常に低コストながら、日本を含めた全世界の株式に株式時価総額の割合に応じて分散投資できるのが魅力です。
「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」でも3年連続1位に選出されていますし、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」1本に絞って投資をしている人も非常に多いですね。
チェックポイント
1つのファンドで全世界の株式に株式時価総額の割合に応じて分散投資したい人は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」がおすすめ!
国内株式、先進国株式、新興国株式の3本に投資
全世界株式に分散投資するために、国内株式、先進国株式、新興国株式のインデックスファンドにそれぞれ投資する手法を取ることもできます。
この手法のメリットは国内、先進国、新興国の株式の大まかな比率を自分自身でコントロールすることができることです。
先述の「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」1本に投資する場合、株式時価総額の割合に応じて投資をすることになるので、どうしても先進国株式の比重が大きくなってしまいます。
国内株式、先進国株式、新興国株式の3つのインデックスファンドに投資をすれば、投資比率やリバランスによって自分の理想に近い資産配分を実現することが可能です。
この手法を用いる場合、以下の3ファンドに投資をします。
- eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)
- eMAXIS Slim先進国株式インデックス
- eMAXIS Slim新興国株式インデックス
ファンド名 | eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) |
設定日 | 2017/2/27 |
決算日 | 4月25日 |
投資対象 | 国内株式 |
連動指数 | TOPIX(東証株価指数) |
信託報酬 | 0.154% |
実質コスト | 0.159% |
純資産総額 | 449.33億円 |
ファンド名 | eMAXIS Slim先進国株式インデックス |
設定日 | 2017/2/27 |
決算日 | 4月25日 |
投資対象 | 先進国株式 |
連動指数 | MSCI KOKUSAI |
信託報酬 | 0.1023% |
実質コスト | 0.146% |
純資産総額 | 2872.12億円 |
ファンド名 | eMAXIS Slim新興国株式インデックス |
設定日 | 2017/7/31 |
決算日 | 4月25日 |
投資対象 | 新興国株式 |
連動指数 | MSCI Emerging Market Index |
信託報酬 | 0.1870% |
実質コスト | 0.370% |
純資産総額 | 724.57億円 |
それぞれの投資比率は各自で決めてもらって構いませんが、参考としてモーニングスターの代表朝倉智也さんは「国内株式20%、先進国株式50%、新興国株式30%」を推奨しています。
≫【書評】『「つみたてNISA」はこの7本を買いなさい』を読めばファンドの選び方が分かる!
ちなみに私も国内株式、先進国株式、新興国株式にそれぞれ投資をする手法を取り入れています。
≫元証券マンが積立NISAで投資している銘柄(ファンド)の組み合わせはこの3本!
チェックポイント
自分で投資比率を決めて全世界の株式に分散投資したい方は国内株式、先進国株式、新興国株式のそれぞれのインデックスファンドを組み合わせるのがおすすめ!
米国株式1本に投資
世界最大の経済大国である米国株式1本に分散投資するのもおすすめです。
この場合、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」に投資をします。
ファンド名 | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) |
設定日 | 2018/7/3 |
決算日 | 4月25日 |
投資対象 | 米国株式 |
連動指数 | S&P500 |
信託報酬 | 0.0968% |
実質コスト | 0.124% |
純資産総額 | 1兆15億円 |
このファンド1本でGAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)などの世界を代表する企業をはじめ、アメリカの主要企業約500社に投資できます。
- S&P500
- 米国株式の代表的な株価指数の1つ。時価総額加重平均で算出される。米主要セクターを代表する500社で構成され、米国株式市場の時価総額の約80%をカバーする。米S&P(スタンダート・アンド・プアーズ)社が算出。
S&P500指数はこれまでも上下を繰り返しながら長期的には右肩上がりを続けていますし、今後も米国経済は成長が期待できます。
≫【経済成長理論】米国株式インデックスが長期投資に最適な理由
「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」はインデックスファンドとして初めて純資産総額が1兆円を超えており、みんなから愛されています。(私も愛用)
信託報酬も0.1%をきっており、非常に低コストで米国株式に分散投資できるのは非常に素晴らしいです。
チェックポイント
米国株式に分散投資したい人は「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」がおすすめ!
全世界の様々な資産にバランスよく投資
「世界に幅広く分散投資がしたいけれど、株式だけだとリスクが高そうで不安…」という方はバランスファンドを活用しましょう。
「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」に投資すれば、以下の8資産に12.5%の比率で均等に投資することができます。
- 国内株式
- 先進国株式
- 新興国株式
- 国内債券
- 先進国債券
- 新興国債券
- 国内リート
- 先進国リート
投資対象としても世界に分散することができていますし、安全資産に位置付けられる債券の比率も37.5%組み込まれているのでリスクを抑えることができています。
また、国内と先進国のリート(不動産投資信託証券)も25%組み込まれており、株式とはまた違った役割を果たしてくれます。
ファンド名 | eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) |
設定日 | 2017/5/9 |
決算日 | 4月25日 |
投資対象 | バランス |
信託報酬 | 0.154% |
実質コスト | 0.214% |
純資産総額 | 1303.48億円 |
つみたてNISA対象のバランスファンドの中でも「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」は最低水準のコストなのでおすすめです。
チェックポイント
リスクを少し抑えて、世界中の様々な資産に分散投資したい人は「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」がおすすめ!
まとめ:eMAXIS Slimシリーズは投資初心者の最適解
以上、三菱UFJ国際投信が運用を手掛ける人気インデックスファンド「eMAXIS Slim」シリーズの魅力を紹介させていただきました。
「eMAXIS Slim」シリーズは業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指し続けており、非常に多くの投資家から支持されています。
私もつみたてNISAの運用を開始した当初から「eMAXIS Slim」シリーズのお世話になっていますし、これからつみたてNISAを始める人には自信を持っておすすめできる商品です。
投資初心者の方にとって最適解とも言えるインデックスファンドだと思いますので、ぜひ何に投資をすればいいのか分からないという方は「eMAXIS Slim」シリーズを活用してみてください。
以下の記事では、つみたてNISAを始めるにあたっておすすめのネット証券6社を紹介しておりますが、いずれの証券会社でも「eMAXIS Slim」シリーズに投資することが可能です。