- つみたてNISAで全世界株式インデックスファンドへの投資を検討しているが、どれを選べばいいか分からない…
- 全世界株式インデックスファンドをまとめて比較したい!
- 全世界株式インデックスファンドを選ぶポイントを知りたい!
これからつみたてNISAを始めるにあたって、全世界株式インデックスファンドを投資対象として検討している方は非常に多いのではないでしょうか。
全世界株式インデックスファンドは低コストで世界全体の株式に幅広く分散投資ができるので非常に有力な投資対象の1つです。
現在、つみたてNISA対象の世界株式インデックスファンドは11本が設定されています。
ただ、同じ世界株式インデックスファンドの中でも連動指数は以下の3つがあり、内容が微妙に異なります。
- MSCI ACWI Index(日本含む)
- MSCI ACWI Index(日本除く)
- FTSE Global All Cap Index
そこで本記事では、つみたてNISA対象の世界株式インデックスファンド全11本を連動指数ごとに分かりやすく一覧にまとめました。
それぞれの世界株式インデックスファンドの純資産総額、コスト、運用成績等がパッと一目で確認できるようになっているので、参考にしていただければ幸いです。
また、インデックスファンドを選ぶ際に確認すべき3つのポイントや結局どれがおすすめなのかについても言及していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人
- AFP資格保有(FP実務経験あり)
- 過去に大手証券会社に勤務していた経験あり
- 金融系Webライター
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インデックスファンド選びで重視したい3つのポイント
インデックスファンドを選ぶ際には以下の3つのポイントを意識しましょう。
- コスト
- 純資産総額
- ベンチマークとの乖離
インデックスファンドは目標とする連動指数が同じ場合、中身は変わらないのでこの3つの基準が大きく差別化できるポイントになります。
①コスト
投資信託にかかるコストは以下の3つがあります。
- 買付時手数料
- 投資信託を購入する時に販売会社である証券会社や銀行などで注文を取り次ぎするための対価として支払う手数料のこと。
- 信託報酬
- 投資信託を管理・運用してもらうための経費として、投資信託を保有している間はずっと投資家が支払い続ける費用のこと。ただし、別途支払うのではなく、信託財産の中から「純資産総額に対して〇%」といった形で毎日差し引かれる。
- 信託財産留保額
- 投資信託を解約する際に投資家が支払う費用のこと。ただし、別途投資家が支払うのではなく、「基準価額に対して〇%」といった形で解約代金から差し引かれる。
つみたてNISAの対象ファンドは「買付時手数料」がかからないので、意識すべきは「信託報酬」と「信託財産留保額」の2つです。
「信託報酬」は投資信託を保有する以上絶対にかかるコストなので、できる限り信託報酬が低いものを選びましょう。
「信託財産留保額」に関してはかかるものとかからないものがあるので、信託財産留保額がかからないものを選ぶようにしましょう。
②純資産総額
インデックスファンドに投資をする場合、できる限り純資産総額が大きいファンドを選ぶのも鉄則です。
理由は以下の2点。
- 信託報酬が引き下がる可能性がある
- 繰上償還される可能性が低くなる
純資産総額が大きいと規模のメリット(=スケールメリット)によって経費率を抑えられるようになり、結果として信託報酬が引き下がる可能性があります。
そして、純資産総額が大きいほど繰上償還される可能性が低くなります。
- 繰上償還
- ファンドの運用資産が少なくなり、効率のいい運用が難しくなった場合などに信託期間の途中で運用を中止し、償還すること。繰上償還が決まると、受益者(=ファンドの保有者)に受益権の口数に応じて信託財産が返還される。
せっかく長期の視点で運用をしようと考えているのに、途中で繰上償還してしまうと再度運用の計画を立て直さなければなりません…
以上の2つの観点を踏まえると、純資産総額の目安としては30億円以上が望ましいと言われているので、特に初心者の方はこの数字を意識してみてください。
③ベンチマークとの乖離
これまで紹介してきたコストと純資産総額よりも重要度は落ちますが、ベンチマークとの乖離も確認しておくとさらに良いです。
対象となる指数への連動を目指していても売買のタイミングや偏りなど様々な条件が組み合わさった結果、ファンドの成績がベンチマークとズレてしまうことをトラッキングエラーと言います。
そして、覚えていただきたいのはこのトラッキングエラーは小さいほうがいいということです。
一般的にはいいインデックスファンドはトラッキングエラーが小さく、悪いインデックスファンドはトラッキングエラーが大きくなる傾向があると言われています。
インデックスファンドの運用者の腕の見せ所でもあるので、1つの参考にしていただければと思います。
≫インデックスファンドの選び方が分かる!選ぶ基準は3つのポイントを意識すればOK!
【徹底比較】つみたてNISA対象全世界株式インデックスファンド
上記で説明させていただいたインデックスファンドを選ぶ際に意識したい3つのポイントを踏まえて、分かりやすく一覧で比較できる表を作成しました。
現在つみたてNISA対象の全世界株式インデックスファンドは11本あり、連動指数は以下の3つがあります。
- MSCI ACWI Index(日本含む)
- MSCI ACWI Index(日本除く)
- FTSE Global All Cap Index
- MSCI ACWI Index
- 米MSCI(モルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナル)社が公表する世界の株式を対象とした時価総額加重平均型の株価指数。当指数から日本と新興国を除外したものが、MSCIコクサイ・インデックスとなる。
- FTSE Global All Cap Index
- 大型株、中型株、小型株を網羅する全世界の株式市場の動向を表す時価総額加重平均型の株価指数。英FTSEインターナショナル社が公表する。
それぞれの指数ごとにコスト、純資産総額、トラッキングエラー、運用成績を比較できる仕様にしているので、ぜひ参考にしてください。
≫【全世界株式】MSCIとFTSEの違いを比較!どっちに投資すべき?
MSCI ACWI Index(日本含む)
「MSCI ACWI」(MSCI All Country World Index)は23の先進国市場と25の新興市場を合わせた合計48カ国の大型株と中型株のパフォーマンスを表すように設計されています。
約3,000銘柄で構成されており、世界の株式時価総額(浮動株調整後)の約85%をカバーしている代表的な全世界株式指数です。
【公式HP】≫MSCI ACWI Index
現在、つみたてNISA対象の「MSCI ACWI Index(日本含む)」に連動する全世界株式インデックスファンドは4本あります。
ファンド名 | 設定日 | 決算日 | 純資産総額 【百万円】 | 信託報酬 【税込】 | 実質コスト | 信託財産留保額 | トラッキング エラー【1年】 | 年率リターン 【1年】 | 年率リターン 【3年】 | 年率リターン 【5年】 | 年率リターン 【10年】 |
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | 2018/10/31 | 4月25日 | 408,347 | 0.1144% | 0.178% | なし | 4.96 | 21.10% | 17.31% | – | – |
たわらノーロード全世界株式 | 2019/7/22 | 10月12日 | 1,542 | 0.132% | 0.289% | なし | 4.96 | 20.96% | – | – | – |
つみたて全世界株式 | 2020/3/6 | 6月25日 | 273 | 0.22% | 0.297% | なし | 4.98 | 20.87% | – | – | – |
全世界株式インデックスファンド | 2017/9/8 | 11月30日 | 6,794 | 0.528% | 0.602% | 0.30% | 4.96 | 20.69% | 16.99% | – | – |
- 純資産総額:2022/2/7時点
- トラッキングエラーの数値は楽天証券より引用
→数値が小さいほどベンチマークとの乖離が小さい
MSCI ACWI Index(日本含む)への投資を考えているのであれば、コストや純資産総額で圧倒している「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」がおすすめです。
「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」は「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」において2019年から2021年の3年間ずっと1位に輝き続けています。
この1本で全世界の株式に投資ができるうえに超低コストということで絶大な指示を集めているファンドです。
MSCI ACWI Index(日本除く)
上述の「MSCI ACWI Index(日本含む)」から文字通り投資対象から日本を外したものが「MSCI ACWI Index(日本除く)」です。
以下の図のように、先進国株式に連動する代表的な指数「MSCIコクサイ・インデックス」と新興国株式に連動する代表的な指数「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」を組み合わせて組成されています。
現在、つみたてNISA対象の「MSCI ACWI Index(日本除く)」に連動する全世界株式インデックスファンドは4本あります。
ファンド名 | 設定日 | 決算日 | 純資産総額 【百万円】 | 信託報酬 【税込】 | 実質コスト | 信託財産留保額 | トラッキング エラー【1年】 | 年率リターン 【1年】 | 年率リターン 【3年】 | 年率リターン 【5年】 | 年率リターン 【10年】 |
eMAXIS Slim全世界株式(除く日本) | 2018/3/19 | 4月25日 | 114,299 | 0.1144% | 0.180% | なし | 5.04 | 22.05% | 17.86% | – | – |
野村 つみたて外国株投信 | 2017/10/2 | 5月12日 | 50,263 | 0.209% | 0.243% | なし | 5.05 | 21.98% | 17.83% | – | – |
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスF | 2011/4/18 | 11月30日 | 86,122 | 0.275% | 0.392% | なし | 5.09 | 21.59% | 17.49% | 12.68% | 14.95% |
eMAXIS 全世界株式インデックス | 2010/7/20 | 1月26日 | 17,431 | 0.66% | 0.733% | 0.05% | 5.04 | 21.40% | 17.24% | 12.51% | 14.92% |
MSCI ACWI Index(日本除く)への投資を考えているのであれば、低コストで純資産総額が大きい「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」がおすすめです。
FTSE Global All Cap Index
代表的な全世界株式指数にはもう1つ、「FTSE Global All Cap Index」というものがあります。
こちらは大型株、中型株、小型株を網羅する全世界の株式市場の動向を表す時価総額加重平均型の株価指数で、英FTSEインターナショナル社が公表しています。
MSCI ACWIとの最大の違いは構成銘柄に小型株を含むかどうかということです。
指数 | 対象 | 時価総額カバー率 | 構成銘柄数 |
MSCI ACWI | 大型/中型 | 約85% | 約3,000 |
FTSE GACI | 大型/中型/小型 | 約98% | 約9,000 |
そのため「FTSE Global All Cap Index」は約9,000銘柄で構成されており、世界の株式時価総額の約98%をカバーしています。
小型株まで含めてより広い範囲で世界株式に投資をしたいという方は「FTSE Global All Cap Index」に連動するインデックスファンドがおすすめです。
現在、つみたてNISA対象の「FTSE Global All Cap Index」に連動する全世界株式インデックスファンドは3本あります。
ファンド名 | 設定日 | 決算日 | 純資産総額 【百万円】 | 信託報酬 【税込】 | 実質コスト | 信託財産留保額 | トラッキング エラー【1年】 | 年率リターン 【1年】 | 年率リターン 【3年】 | 年率リターン 【5年】 | 年率リターン 【10年】 |
SBI・全世界株式インデックス・ファンド | 2017/12/6 | 11月12日 | 48,690 | 0.1102% | 0.122% | なし | 5.07 | 19.04% | 16.37% | – | – |
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド | 2022/1/31 | 1月27日 | 4,196 | 0.1438% | – | なし | – | – | – | – | – |
楽天・全世界株式インデックス・ファンド | 2017/9/29 | 7月15日 | 151,663 | 0.212% | 0.240% | なし | 5.11 | 19.57% | 16.75% | – | – |
「SBI・全世界株式インデックス・ファンド【愛称:雪だるま(全世界株式)】」はコストは低いものの、他の2ファンドと投資ファンドが異なります。
SBI・全世界株式インデックス・ファンド | ①バンガード・トータル・ストック・マーケットETF ②SPDR ポートフォリオ・ディベロップド・ワールド(除く米国)ETF ③SPDR ポートフォリオ・エマージングマーケッツETF |
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF |
楽天・全世界株式インデックス・ファンド | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF |
この違いからなのか、運用成績は「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の方が若干良くなっています。
「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」に関しては2022年1月31日に新規設定されたファンドですので、今後の動向に注目しましょう。
まとめ:低コストで全世界株式に分散投資!
以上、つみたてNISA対象の全世界株式インデックスファンド全11本を比較しました。
全世界株式といっても連動する指数は3つありますので、日本は含めるか、それとも除くか、小型株まで含めて幅広く投資をするかといった観点で選びましょう。
そして対象指数が定まったら、本記事の比較表を参考に、低コストのファンドを選んでいただけたらOKです。
低コストのファンドは投資家からの支持が集まるので純資産総額も大きくなりますし、コストが小さい分、運用成績が相対的に良く、ベンチマークとの乖離も小さくなりやすいです。
「全世界株式のインデックスファンドに投資をしたいけれど、どれにしたらいいか分からない…」という方は以下を参考にしてみてください。
- MSCI ACWI(日本含む):eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
- MSCI ACWI(日本除く):eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
- FTSE Global All Cap Index:自分が好きなやつ(現時点では優劣がつけ難い)
また、本記事のデータに関しては定期的に情報更新を行なっていきますので、今後も全世界株式インデックスファンドの比較の参考に活用していただければ幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
*本記事はあくまで個人が作成した記事であり、情報の確実性を保証するものではありません。また、投資は自己責任でお願いします。