これからつみたてNISAを始めようとしている方はこんな疑問を抱いたことがありませんか?
私もつみたてNISAを始める際に上記のことが気になっていたので、実際に自分でデータを集めて分析してみました。
本記事では、つみたてNISAの制度が始まった2018年から2021年末までの4年間のデータを用いて、積立日ごとにおける運用成績の差異を分析した結果を紹介しています。(毎年年初にデータを更新)
先に本記事の結論を述べておきます。
- 運用成績が最も良かったのは第1営業日に約定した場合。
- 運用成績が最も悪かったのは第13営業日に約定した場合。
- 最も良い日と悪い日における最終的な運用成績の乖離は2.07%しかないので、積立日にこだわる必要はない。
詳細に関しては本文で紹介していくので、これからつみたてNISAの積立日を何日にしようか悩んでいた方はぜひ参考にしていただければと思います。
この記事を書いた人
- AFP資格保有(FP実務経験あり)
- 過去に大手証券会社に勤務していた経験あり
- 金融系Webライター
検証方法
まずは今回の検証に用いたデータについて紹介させていただきます。
- 検証に用いたデータ
- ・投資商品:SBI・全世界株式インデックス・ファンド【愛称:雪だるま(全世界株式)】
・投資金額:10,000円/月
・投資期間:2018年1月1日〜2021年12月31日(つみたてNISAの制度が始まってから4年間)
・データ:毎月の営業日ごとに基準価額と購入口数を算出(n=864)
・データの引用元:モーニンスター
つみたてNISAの制度が始まってから4年間(2018年1月1日〜2021年12月31日)、毎月10,000円を「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」に積み立てを行った場合の最終的な営業日(=積立日)ごとの運用成績を算出しています。
投資対象に「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」を用いたのは、世界の大型・中型・小型株まで幅広い範囲で投資がされているので、より世界全体の動きを捉えられると思ったからです。
「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」は株価指数:FTSE Global All Cap Indexに連動するインデックスファンドの中でも信託報酬が最安のファンドです。
- FTSE Global All Cap Index
- 大型株、中型株、小型株を網羅する全世界の株式市場の動向を表す時価総額加重平均型の株価指数。英FTSEインターナショナル社が公表する。
Excelを用いて以下のように各営業日ごとの基準価額と購入口数を記録しています。
投資信託の評価額は「基準価額×保有口数/10,000」で計算できるので、積立日時点でたくさん口数を購入できた方がいい(=約定日の基準価額は低い方がいい)です。
つまり、上記の図で言うと、口数を黄色でマークしている日がその月で一番多く口数を購入できた日ということになります。
営業日ごとに算出している理由は、月によって休日となる日が異なるからです。
また、毎月のサンプル数が全て揃っている1営業日から18営業日までを本検証の対象としています。
検証結果:1営業日の約定が最も良い結果に
これまで紹介した前提のもと、2018年から2021年の4年間における最終的な運用成果の差異は以下のようになりました。
結論から申し上げると、第1営業日に約定した人の運用成績が最も良く、第13営業日に約定した人の運用成績が最も悪いという結果になりました。
2018〜2021年の4年間、1営業日目に約定している人は累計で440,278口購入することができており、評価額は707,086円(損益率+47.31%)となりました。
一方、13営業日目に購入している人は累計の購入口数が434,093口となり、評価額は697,153円(損益率+45.24%)でした。
全営業日の損益率の平均は+46.10%ですので、1営業日目に約定した人は平均を1.21%アウトパフォームし、13営業日目に約定した人は-0.86%アンダーパフォームしています。
なお、最も良かった1営業日目と最も悪かった13営業日目の乖離は2.07%となりました。
積立日ごとの運用成績ランキング
最も運用成績が良かったのは1営業日目で、最も運用成績が悪かったのは13営業日目という結果になりましたが、続いて積立日ごとの運用成績ランキングをまとめました。
この結果から分かることを簡潔にまとめてみます。
- 1〜4営業日目や15〜18営業日目の運用成績が上位
- 8,9営業日と11~13営業日目の運用成績が下位
あくまで私が計測した4年間のデータに過ぎませんが、月末月初は相対的に運用成績がよく、中旬付近は相対的に運用成績が悪いことが読み取れます。
まとめ:積立日を気にする必要はない
以上、私が個人的に検証した積立日ごとにおける運用成績の差異について紹介させていただきました。
改めてまとめると、つみたてNISAの制度がスタートした2018年から2021年の4年間において、「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」に毎月10,000円投資した場合
- 最も運用成績が良かったのは第1営業日に約定したとき
- 最も運用成績が悪かったのは第13営業日に約定したとき
でした。
また、傾向としては月末月初が相対的に運用成績がよく、中旬付近は相対的に運用成績が悪いことも読み取れます。
ただ、最も運用成績が良かった積立日と最も運用成績が悪かった積立日の乖離は2.07%であり、そこまで大きな差にはなっていません。
これらを踏まえて個人的にお伝えしたいのは、積立日による運用成績の差異はそれほど大きくないので積立日は気にしなくていいということです。
今回の調査の場合、積立日をいつに設定していたとしても結果的には全てプラスの運用成績となっています。
積立日をいつにするかは直感で決めて、なるべく早くつみたてNISAを始めることをおすすめします。
本記事がつみたてNISAをこれから始めようと考えている方の参考になれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。