野村アセットマネジメントが運用を手掛ける資産複合型の「のむラップ・ファンド(積極型)」はつみたてNISAの対象にも選ばれています。
つみたてNISAの投資対象の1つとして「のむラップ・ファンド(積極型)」を検討しており、評価や評判が気になっている人もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで、本記事では「のむラップ・ファンド(積極型)」の基本情報や特徴、組入銘柄、運用成績、評判を紹介していきます。
先に結論を述べておくと、「のむラップ・ファンド(積極型)」はつみたてNISAの対象には選ばれているものの、コストが高すぎるためおすすめはしません。
本記事を読んでいただければ、「のむラップ・ファンド(積極型)」の中身や注意点について理解を深めていただけるかと思いますのでぜひ参考にしてください。
- 「のむラップ・ファンド(積極型)」は資産複合型のバランスファンド
- 実質コストが1.551%と非常に高く、おすすめできない
- 複数のインデックスファンドに分散投資して、年に1回リバランスする方法をおすすめ
のむラップ・ファンド(積極型)の基本情報
まずは「のむラップ・ファンド(積極型)」の基本情報をまとめました。
ファンド名 | のむラップ・ファンド(積極型) |
運用会社 | 野村アセットマネジメント |
設定日 | 2010年3月15日 |
決算日 | 毎年2月18日 |
購入時手数料 | 1.1%(上限) |
信託報酬 | 1.518% |
実質コスト | 1.551% |
信託財産留保額 | 0.3% |
つみたてNISA | 対応 |
備考 | 分配金実績あり |
「のむラップ・ファンド(積極型)」は野村アセットマネジメントが運用を手掛けています。
設定日は2010年3月15日で決算日は毎年2月18日となっています。
購入時手数料は最大で1.1%がかかります。(つみたてNISA口座で購入する場合はノーロード)
信託報酬は1.518%と定められており、売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用を加味した実質コストは1.551%と非常に高いです。
解約時に差し引かれるコスト、解信託財産留保額も0.3%かかります。
つみたてNISAの対象に選ばれているとはいえ、コストが高すぎるのでこの時点であまりおすすめはできませんね。
また、2013年以降分配金も毎年10円出されています。
のむラップ・ファンド(積極型)の特徴
「のむラップ・ファンド」は資産複合型、いわゆるバランスファンドです。
つみたてNISAの対象に選ばれているのは「積極型」のみですが、他にも「保守型」「やや保守型」「普通型」「やや積極型」という4つのファンドがあります。
ファンドはマザーファンドを通じて投資するファミリーファンド方式で運用されており、国内株式、国内債券、外国株式、外国債券、世界各国のREITの5つのアセットに分散投資されます。
国内株式 | 東証株価指数(TOPIX) |
---|---|
国内債券 | NOMURA-BPI総合 |
外国株式 | MSCI-KOKUSAI指数(円ベース・為替ヘッジなし) |
外国債券 | FTSE世界国債インデックス(除く日本、ヘッジなし・円ベース) |
世界各国のREIT | S&P先進国REIT指数(配当込み、円換算ベース) |
2021年2月18日の決算より各ファンドの資産組入比率を表にまとめました。
保守型 | やや保守型 | 普通型 | やや積極型 | 積極型 | |
国内株式 | 10.8% | 13.8% | 15.8% | 14.2% | 11.6% |
国内債券 | 40.6% | 27.2% | 12.5% | 8.0% | 4.3% |
外国株式 | 7.3% | 15.7% | 25.7% | 38.4% | 52.0% |
外国債券 | 33.1% | 32.1% | 31.0% | 24.0% | 17.1% |
世界REIT | 7.2% | 10.3% | 14.1% | 14.5% | 14.0% |
その他 | 0.9% | 0.9% | 0.9% | 0.9% | 1.0% |
文字通り、「保守型」が一番リスクを抑えた資産構成となっており、「積極型」が一番リスクを取った資産構成になっています。
野村證券が独自に開発したモデルを用いて、より効率的と想定される投資配分比率を算出しており、その数値をもとに資産配分比率が決まっています。
この点が「のむラップ・ファンド」を持つメリットですが、投資対象はいずれもインデックスですし、高いコストを払ってこのファンドに投資をするよりも自分でインデックスファンドを複数購入して、年に1回リバランスする方が適切だと考えます。
決算期ごとの運用成績
「のむラップ・ファンド(積極型)」の設定日から11期までの決算期における運用成績をまとめました。
基準価額 | 期中騰落率 | 純資産総額(百万円) | |
2010/3/15(設定日) | 10,000 | 1 | |
2011/2/18(1期) | 10,428 | 4.40% | 2,825 |
2012/2/20(2期) | 9,929 | -4.80% | 5,471 |
2013/2/18(3期) | 12,607 | 27.10% | 5,173 |
2014/2/18(4期) | 15,322 | 21.60% | 7,914 |
2015/2/18(5期) | 18,855 | 58.60% | 12,370 |
2016/2/18(6期) | 16,702 | -11.40% | 15,939 |
2017/2/20(7期) | 18,662 | 11.80% | 19,026 |
2018/2/19(8期) | 19,744 | 5.90% | 22,241 |
2019/2/18(9期) | 20,233 | 2.50% | 26,325 |
2020/2/18(10期) | 22,782 | 12.60% | 32,358 |
2021/2/18(11期) | 24,423 | 7.20% | 39,717 |
基準価額と純資産総額はともに右肩上がりが続いています。
続いて「のむラップ・ファンド(積極型)」の1年、3年、5年、10年といった期間別のトータルリターン、標準偏差、シャープレシオをまとめました。
1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | 10年(年率) | |
トータルリターン | 24.36% | 11.64% | 9.77% | 12.40% |
カテゴリー順位 | 16位(107本中) | 16位(100本中) | 13位(74本中) | 5位(26本中) |
標準偏差 | 6.83 | 13.68 | 11.7 | 12.59 |
カテゴリー順位 | 35位(107本中) | 24位(100本中) | 20位(74本中) | 15位(26本中) |
シャープレシオ | 3.57 | 0.85 | 0.84 | 0.98 |
カテゴリー順位 | 17位(107本中) | 9位(100本中) | 5位(74本中) | 4位(26本中) |
3年、5年、10年といった中長期スパンで見ると、トータルリターンは年率10%前後となっています。
運用の効率性を示すシャープレシオは優秀なファンドの目安とされる1を割っているものの、同じ成長カテゴリー内では相対的に優れた成績を残しています。
【評判】月次の資金流出入の推移
「のむラップ・ファンド(積極型)」の評判を客観的に知るために月次の資金流出入額のグラフを見ていきましょう。
ファンドの資金が流入しているということは「のむラップ・ファンド(積極型)」を購入している人が多くなっているということですし、逆に資金が流出している場合は運用成績に満足できずに解約した、もしくは利益確定等で売りが出ているという風に読み取れます。
以下が2021年11月30日時点の「のむラップ・ファンド(積極型)」の月次資金流出入額のグラフです。
2017年〜2019年は微増の資金流入といった状態でしたが、2020年、2021年に入ってから大幅な資金流入に転じていますね。
まとめ:コストが高いのでおすすめできない
以上、「のむラップ・ファンド(積極型)」の基本情報から特徴、決算期ごとの運用成績、評判について紹介させていただきました。
改めてまとめると、「のむラップ・ファンド(積極型)」は資産複合型のファンドで国内株式、国内債券、外国株式、外国債券、世界各国のREITといった5つのアセットに分散投資されています。
ただ、いずれの投資対象もインデックスですし、わざわざ高いコストを支払って「のむラップ・ファンド(積極型)」に投資をするメリットはないと考えています。
同じような投資をしたければ、それぞれの資産のインデックスファンドに複数投資して年に1回自身でリバランスをする方がより低コストで運用できるのでおすすめです。
それか、もっと低コストなバランスファンドを購入するようにしましょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
【免責事項】
・本記事は投資に関する情報の提供を目的に作成したものであり、特定の金融商品の勧誘を目的としたものではありません。
・また、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものでもありません。
・投資は自己責任でお願いします。