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【経済成長理論】米国株式インデックスが長期投資に最適な理由

【経済成長理論から紐解く】長期投資に米国株式インデックスが最適な理由
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つみたてNISAで長期投資を行うにあたって絶対に外すことができない投資対象先とも言えるのが米国株式です。

米国は世界最大の経済大国であり、GAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)など世界の名だたる企業がズラリと並んでいます。

全世界株式インデックスの投資国別比率を見ても約6割が米国で構成されていることから、米国が株式市場に与える影響が非常に大きいことが分かりますね。

東条翔平
東条翔平

私も「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」や米国の個別株式に投資をしており、米国株式市場が重要な投資先だと考えています。

本記事では、米国株式が長期投資に最適な理由を経済成長理論に基づいて紹介します。

経済学の内容が入りますが、株式投資は短期間では予測不可能なものの、長期的には経済理論に収束していく傾向があるため、知っておいて損することはありません。

これからつみたてNISAを利用して全世界株式や米国株式インデックスへの投資を考えている方の参考になる内容となっておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

東条翔平
東条翔平

この記事を書いた人

  • AFP資格保有(FP実務経験あり)
  • 過去に大手証券会社に勤務していた経験あり
  • 金融系Webライター

【経済成長理論】経済成長の3要素を知る

【経済成長理論】経済成長の3要素を知る

長期投資を行うにあたって非常に重要なのが経済成長です。

経済成長率と株式のリターンにはプラスの相関があるため、長期投資でより多くのリターンを狙うのであれば今後も持続的に経済成長が見込める先がいいでしょう。

そこで知っておいていただきたいのが、長期的な経済成長に対する1つの見方を示す「経済成長理論」です。

「経済成長理論」は生産力に着目した理論で、「長期的な経済成長は、国全体でどれだけモノ・サービスを作り出す能力があるかという経済全体の供給面から決まる」という考え方をとっています。

要は供給側が長期的な経済の水準を決め、需要もそれに応じてある程度決まってくるということです。

この理論に基づくと、生産力の増加が長期的な経済成長につながります。

そして経済学の世界では、生産力を決める要素は大きく分けて以下の3つであると言われています。

  1. 労働(人)
  2. 資本(金)
  3. イノベーション(技術革新)

たくさんの人が働いて(労働)、そこにお金を投じて設備投資を行えば(資本)、生産力は高まりますし、そこにイノベーション(技術革新)が組み合わさることで生産力は飛躍的に上がります。

供給側が需要を決めるという考え方に基づくと、新しく生産した分が付加価値としてGDPに計上されるので経済成長につながるということです。

では、1ずつの要素に分解してそれぞれの特性を深掘っていきます。

①労働(人口)

経済成長において最も将来性を予測しやすい指標こそが人口です。

単純に人口が増加すると、人が生きていくために最低限必要な衣食住への消費が増えます。

そして、将来的には労働人口も多くなり、消費に回る金額も大きくなっていきます。

中でも生産年齢人口(15歳〜64歳までの生産活動に就いている中核の労働者)の動向はかなり重要です。

というのも、生産年齢人口は労働の観点から見ると、社会に必要な財・サービスを供給するにあたって貢献度が非常に大きいからです。

また、消費という観点から見ても、生産年齢人口の人々は労働の対価として給与を得ているため、消費額も大きくなります。

特に車や住宅といった大きな消費につながるのはこの生産年齢人口の方々が寄与する部分が大きいです。

このように単純に人口が増加すると、労働人口が増え、所得が消費に回っていくので需給どちらの側面からも経済成長に与える影響は大きくなります。

②資本(金)

資本は簡単にいうとお金のことだと思ってください。

お金が機械や工場などの設備投資に回って資本ストックが蓄積していきます。

いくら人(労働者)だけが多くいても、機械や工場のような設備(資本)がしっかりしていないとより効率的に物を生産することはできません。

なので、労働と資本はお互い補完し合って生産性を上げているとも言えます。

③イノベーション(技術革新)

経済成長の3要素の中でも一番影響力が大きいのがイノベーションです。

これまでの産業革命を想像していただければ分かりやすいのではないでしょうか。

産業革命年代イノベーション
第1次産業革命1700年代後半〜1800年代前半蒸気機関
第2次産業革命1800年代後半電力
第3次産業革命1900年代後半コンピューター

第1次産業革命は1700年代後半から1800年代前半にかけてイギリスで起こりました。

当時人の手(労働)で行っていた作業を蒸気機関で動力として機械化し、作業能率を飛躍的に上昇させています。

第2次産業革命は1800年第後半に、アメリカとドイツを中心に起こっています。

電力を用いることによって、工場で大量生産が可能となったほか、科学技術の革新も進んでいます。

第3次産業革命は1990年代後半のコンピューターですが、今の私たちの生活には欠かせない技術となりました。

コンピューターの登場によって、機械が自動化できるようになったり、多くの企業で生産性が飛躍的に向上したのではないでしょうか。

いずれの産業革命における技術の台頭によって、大きく生産性が向上したことをイメージしていただけるのではないかと思います。

また、これまで産業革命の中心となった国がその時代の覇権を握っていることも注目に値します。

今後もAIなど様々な分野でイノベーションが起こりうるのではないかと注目が集まっており、動向が楽しみです。

【生産関数】経済成長の鍵を握るのはイノベーション

経済成長に欠かせない3要素のそれぞれの関係性を式で表した「生産関数」というものを紹介します。

インデックスファンドを用いて長期投資を考えている方々にはぜひ知っておいてほしい考え方です。

生産関数の式
東条翔平
東条翔平

難しそうな式が登場しましたが、この式は経済成長の3要素「労働」「資本」「イノベーション」の関係性を表しています。

Kが資本(設備投資)、Lは労働量(従業員の労働)、Aはイノベーションの度合い、aは資本分配率を示します。

まず、資本と労働の関係性についてですが、資本分配率と労働分配率が対称関係になっています。

これは人(労働)と機械(資本)の関係性によるものです。

具体的にイメージをしていただきたいのですが、企業が生産量をこれまでの2倍にしたいと考えている場合、単純に設備を2倍にしても生産量は2倍になりません。

結局設備を2倍に増やしたところでその設備を動かす人(労働)がなければ生産量が増えないからです。

前項でも述べたように資本と労働はお互い補完し合って生産性を上げています。

また、この式を見ていただければお分かりのとおり、資本を増やしたり、労働を増やしていくと最初は生産量が増えるものの、やがてその伸びが鈍化していくような曲線を描きます。

そこで重要な意味をもたらすのがイノベーションです。

イノベーションによる新たな技術の台頭によって、より少ない労力で同じ機械を動かせるのであれば、資本を投じてたくさんの機械を設置することで生産を飛躍的に伸ばすことが可能となります。

前述のとおり、経済成長の3要素の中でもイノベーションが大きな影響をもたらすというのはこのような理由からです。

つまり、最終的に経済成長のカギを握っているのはイノベーションと言えます。

米国株式が長期投資の対象として最適な理由

米国株式が長期投資の対象として最適な理由

前置きが非常に長くなりましたが、これらの経済理論に基づいて米国株式市場の将来性を考えていきましょう。

結論、米国は資本効率が高く、人口の増加が見込め、イノベーションが起きやすい環境が整っているので長期投資の対象として最適です。

具体的にそれぞれの要素の現状や見通しを紹介していきます。

①労働(人口)

米国は先進国の中でも人口が増え続けている数少ない国です。

2020年の総人口は約3億3000万人ですが、2030年に3億5000万人2050年には3億8000万人を超える見込みとなっています。(世界の統計2018より)

日本やその他先進国は将来的に人口が減少するとの予測がされているので、経済大国であり今後も人口が増加していく米国は見通しが明るいですね。

②資本(金)

資本については将来の予測が難しいため、直近における日米欧の資本の効率性を比較してみました。

より効率的に資本を活用できているかどうかを知るためにROE(自己資本利益率)とROIC(投下資本利益率)を用います。

以下の表に2018年の日本(TOPIX)、米国(S&P500)、欧州(STOXX600)のROEとROICの数値をまとめました。

指数日本米国欧州
ROE【2020年】約7%約11%約4%
ROIC【2018年】6.75%10.17%8.81%
ROE(自己資本利益率:Return On Equity)
当期純利益を自己資本(株主資本)で割った指標。株主資本が、その企業の利益(収益)にどれだけつながったかが分かるため、企業の収益性を図る指標といえる。
ROIC(投下資本利益率:Return On Invested Capital)
…税引後営業利益を投下資本で割った指標。事業活動のために投じた資金(投下資本)を使って、企業がどれだけ効率的に利益に結びつけているかが分かる。

データは少し古いものの、米国の資本効率は相対的に高いことが読み取れます。

GAFAMなどの巨大IT企業が多く、少ない投下資本で巨額の利益を上げているという側面もありますが、借入を増やして設備投資を行い、売上や利益を高める米国企業は多いです。

ROEとROICをもとに米国企業の資本効率の高さに着目しましたが、

  • 米国企業はM&Aによる買収案件が多い
  • 研究開発・人材への投資なども積極的である

といったことも米国が資本をうまく活用できていることの証ではないかと思います。

③イノベーション(技術革新)

今後もAIやIoT、ロボティクス、Fintech、ゲノムといった様々な分野でイノベーションが起こることが期待されています。

イノベーションに関しても様々な評価がなされていますが、米国の評価は非常に高いです。

WIPOの『グローバル・イノベーション・インデックス2021』では米国は世界最高スコアを取得したイノベーション指標の数でトップに輝いています。

具体的には「国別特許数」、「大学の質」、「科学出版物の影響力」、「R&Dに注力しているグローバル企業」といった主要指標でリードしています。

Appleが発明したiPhoneによって私たちの生活が一変したように、今後も米国企業が生み出す技術や製品によって私たちの生活を大きく変える可能性は多いにあります。

米国企業を中心に様々な分野で技術革新が起これば、世界経済に与えるインパクトも非常に大きく、楽しみですね。

まとめ:米国株式インデックスは長期投資に最適

以上、経済成長理論から紐解いた米国株式が長期投資の対象として最適な理由を紹介させていただきました。

経済理論をもとに説明したので少し分かりにくかったかもしれませんが、米国は今後も人口が増加する見込みで、資本の効率性も高く、イノベーションも起こしやすいから長期的に経済成長が見込めるということです。

株式市場は短期間での予測は不可能ですが、長期的な視点で見れば経済理論に収束していきます。

つみたてNISAを利用して米国株式インデックスに長期投資することができれば、米国の経済成長とともに大きなリターンが見込まれるのでおすすめです。

以下の記事では、つみたてNISA対象の米国株式インデックスファンドを連動指数ごとに比較してまとめておりますので、ぜひ併せて参考にしてみてください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

ABOUT ME
東条翔平
資産形成に興味を持ち、学生時代にAFP資格を取得。大学4年生からつみたてNISAをはじめ、現在まで継続中。大手証券会社に勤務していた経験あり。