- セゾン資産形成の達人ファンドってどういう商品?
- セゾン資産形成の達人ファンドの運用成績は順調?
- セゾン資産形成の達人ファンドの評判は?
「セゾン資産形成の達人ファンド」は独立系の資産運用会社「セゾン投信」が運用を手掛ける人気のアクティブファンドです。
つみたてNISA対象のアクティブファンドにも選ばれている商品ですので、投資対象として気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで本記事では、「セゾン資産形成の達人ファンド」について、基本情報から特徴、運用成績、評判などを紹介していきます。
「セゾン資産形成の達人ファンド」に投資すべきか迷っている方はぜひ参考にしていただければ幸いです。
- セゾン資産形成の達人ファンドの最大の特徴はファンドオブファンズ方式で運用を行っていること
- 10年といった長期スパンで非常に優秀な運用成績を残している
- 直近5年間で一度も月次資金流出入がマイナスになったことはなく、評判も非常にいい
この記事を書いた人
- AFP資格保有(FP実務経験あり)
- 過去に大手証券会社に勤務していた経験あり
- 金融系Webライター
セゾン資産形成の達人ファンドの基本情報
まずは「セゾン資産形成の達人ファンド」の基本情報をまとめました。
ファンド名 | セゾン資産形成の達人ファンド |
運用会社 | セゾン投信 |
設定日 | 2007年3月15日 |
決算日 | 毎年12月10日 |
購入時手数料 | なし |
信託報酬 | 1.35%±0.2% |
信託財産留保額 | 0.1% |
つみたてNISA | 対応 |
備考 | R&Iファンド大賞2021 最優秀ファンド賞 リフィニティブ・リッパー・ファンド・アワード・ジャパン2021 最優秀ファンド賞 |
「セゾン資産形成の達人ファンド」は日本でも有数の独立系運用会社、セゾン投信が2007年3月15日に運用を開始しています。
ちなみにセゾン投信はクレディセゾンと日本郵便から出資を受けている資産運用会社です。
セゾン投信が運用を手掛ける商品には「セゾン資産形成の達人ファンド」と「セゾン・バンガード・グローバル・バランスファンド」の2種類があります。
「セゾン資産形成の達人ファンド」は直販のセゾン投信もしくは取り扱いの証券会社や銀行を通じて購入することができます。
コスト面は購入時手数料はかからないものの、解約時に差し引かれるコスト信託財産留保額が0.1%かかります。
また、信託報酬は1.35%±0.2%となっており、コストの高さはこのファンドのデメリットとも言えるでしょう。
ただ、直近はR&Iファンド大賞2021やリフィニティブ・リッパー・ファンド・アワード・ジャパン2021でそれぞれ最優秀ファンド賞を獲得しており、運用成績面では非常に素晴らしいファンドです。(詳しくは後述)
セゾン資産形成の達人ファンドの特徴
セゾン資産形成の達人ファンドの特徴はファンド・オブ・ファンズ方式で運用を行っている点にあります。
ファンド・オブ・ファンズ方式とは株式や債券などの資産に直接投資するのではなく、株式や債券に投資している複数の投資信託に投資をして、運用を行う仕組みを指します。
上図のように様々な投資対象を取り扱ったファンドに複数投資をすることによって、国内外の株式に投資を行っています。
この図をみると一部の方は「セゾン資産形成の達人ファンドに投資するより、直接個々の対象ファンドに投資をした方がコストも抑えられてよくない?」と思われるかもしれません。
ただ、セゾン資産形成の達人ファンドが投資をしているこれらのファンドは機関投資家向けのファンドです。
個人で同様のファンドを組成するのは難しいですし、ファンドの運用会社もバンガードやアライアンス・バーンスタインといった非常に優秀な会社ばかりですね。
世界の優良株式に絞って幅広く分散投資をするのであれば、それぞれの地域のリサーチに強みを持っていて企業分析にも定評のある複数の運営会社に任せるといった戦略は理にかなっています。
投資先ファンドに関しては選定条件として
- 企業分析をしっかり行っていること
- 長期的な視点で運用されていること
- 手数料が適正なこと
を定めたうえで投資を行っています。
しっかりと企業分析を行ったうえで、長期的な視点で世界の株式に幅広く分散投資しているので長期投資に向いている設計になっていますね。
決算期ごとの運用成績
セゾン資産形成の達人ファンドの設定日から15期までの運用成績をまとめました。
基準価額 | 期中騰落率 | 純資産総額(百万円) | |
2007/3/15(設定日) | 10,000 | 253 | |
2007/12/10(1期) | 9,491 | -5.10% | 1,776 |
2008/12/10(2期) | 5,011 | -47.20% | 1,655 |
2009/12/10(3期) | 6,628 | 32.30% | 3,016 |
2010/12/10(4期) | 7,112 | 7.30% | 4,003 |
2011/12/12(5期) | 6,403 | -10.00% | 4,479 |
2012/12/10(6期) | 7,955 | 24.20% | 6,604 |
2013/12/10(7期) | 12,743 | 60.20% | 11,577 |
2014/12/10(8期) | 15,960 | 25.20% | 19,448 |
2015/12/10(9期) | 16,995 | 6.50% | 29,930 |
2016/12/12(10期) | 16,637 | -2.10% | 37,496 |
2017/12/11(11期) | 20,804 | 25.00% | 53,824 |
2018/12/10(12期) | 20,019 | -3.80% | 65,718 |
2019/12/10(13期) | 22,649 | 13.10% | 87,718 |
2020/12/10(14期) | 26,279 | 16.00% | 123,813 |
2021/12/10(15期) | 32,402 | 23.30% | 185,489 |
セゾン資産形成の達人ファンドは設定日が2007年3月15日ですので、直後にリーマンショックが起こったこともあり、基準価額がなかなか10,000円を超えない状況が続いていました。
ただ、2013年以降は株高の恩恵も受けて基準価額、純資産総額ともに順調に増加傾向にあります。
続いてセゾン資産形成の達人ファンドの1年、3年、5年、10年といった期間別のトータルリターン、標準偏差、シャープレシオをまとめました。
1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | 10年(年率) | |
トータルリターン | 9.32% | 14.68% | 11.70% | 16.14% |
標準偏差 | 13.84 | 17.9 | 16.41 | 16.51 |
シャープレシオ | 0.67 | 0.82 | 0.71 | 0.98 |
- トータルリターン
- 一定期間内に投資商品への投資から得られる総合収益のこと。キャピタルゲイン(譲渡益)だけでなく、再投資された分配金(インカムゲイン)なども含まれる。簡単な式にすると、{利益の合計額/投資コスト(購入価格)}×100で表される。
- 標準偏差
- ある測定期間内のファンドの平均リターンから各リターンがどの程度離れているか(偏差)を求めることによって得られる統計学上の数値。この数値が高いほど、ファンドのリターンのブレが大きくなる(=リスクが高い)。
- シャープレシオ
- リスク(標準偏差)1単位あたりの超過リターンを測る指標。シャープレシオの数値が高いほどリスクを取ったことによって得られた超過リターンが高いこと、つまり運用の効率性が高いことを意味する。
3年、5年、10年といった中長期では、年率2桁のリターンを記録しています。
同期間の標準偏差は16~18くらいで推移しており、株式型の投資信託ですので比較的値動きは大きいです。
運用の効率性を示すシャープレシオは優秀なファンドの目安とされる1には及びませんが、10年といった長期スパンでは相対的に良好な運用成績を残しています。
モーニングスターのレーティングも10年で最高ランクの☆5が付与されています。(同じカテゴリー内で上位10%のファンドにしか付与されない)
【評判】月次の資金流出入額に注目
セゾン資産形成の達人ファンドの評判を客観的に知るために月次の資金流出入額のグラフを見ていきましょう。
ファンドの資金が流入しているということはセゾン資産形成の達人ファンドを購入している人が多くなっているということですし、逆に資金が流出している場合は運用成績に満足できずに解約した、もしくは利益確定等で売りが出ているという風に読み取れます。
以下が2021年10月31日時点のセゾン資産形成の達人ファンドの月次資金流出入額のグラフです。
直近5年間は一度も資金流出に転じたことはなく、毎月安定して資金が流入しています。
資金の流入額も年々増加傾向にあることから人気が上昇していて、評判も非常にいいですね。
まとめ:長期で素晴らしい実績を上げているファンド
以上、「セゾン資産形成の達人ファンド」の基本情報から特徴、運用成績、評判を紹介しました。
改めてまとめると、セゾン資産形成の達人ファンドはファンド・オブ・ファンズ方式で世界の株式に広く分散投資を行っている投資信託です。
投資先のファンドに関しても、企業分析をしっかり行っていて長期的な視点で運用するファンドを選んでいるので、非常に長期投資に向いた商品だといえます。
実際の運用成績を見ても、10年といった長期のスパンではしっかりと結果を残していますし、資金の流入も安定的に続いて増加傾向にあります。
唯一のデメリットは信託報酬が高いというところです。
セゾン資産形成の達人ファンドはアクティブファンドになりますので、コストが高いということを認識したうえで運用手法に共感を抱いた方は長期投資を前提に投資をしてもいい商品だと思います。
つみたてNISAにも対応している商品ですので、ぜひそういった税制優遇制度も活用してみてください。
本記事がセゾン資産形成の達人ファンドへの投資を考えている方にとって少しでも参考になれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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