レオス・キャピタルワークスが運用を手掛けている「ひふみシリーズ」は非常に人気の高いアクティブファンドです。
つみたてNISA対象のアクティブファンドを純資産総額が大きい順に並べると、1位が「ひふみプラス」、4位が「ひふみ投信」となっており、人気の高さが伺えますね。
これからつみたてNISAや資産運用を始めようと考えている方の中にもひふみに興味を持たれている方もいらっしゃると思います。
そこで、こんな疑問を抱いたことがありませんか?
本記事では、上記の悩みを解決するために「ひふみ投信」と「ひふみプラス」の違いについて図解を用いながら分かりやすく解説させていただきます。
本記事を読んでいただければ、「ひふみ投信」と「ひふみプラス」の違いを理解することができ、どっちに投資をすべきかが分かるようになりますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
ひふみ投信とひふみプラスの中身は同じ
「ひふみ投信」と「ひふみプラス」の違いを説明する前に知っておいていただきたいのが、どちらも中身は同じということです。
というのも、「ひふみ投信」「ひふみプラス」ともにレオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみ投信マザーファンド」に投資を行っているからです。(*「ひふみ年金」も同じ)
マザーファンド
…複数のベビーファンドと呼ばれる投資信託から資金を預かり、それをまとめて運用する投資信託のこと。マザーファンドとベビーファンドを分けて運用する方式のことをファミリーファンド方式と呼ぶ。
「ひふみ投信」も「ひふみプラス」も同じ「ひふみ投信マザーファンド」に投資を行っているので、組入銘柄や運用成績等の相違はありません。
ファンドの設定日が違うので基準価額は異なりますが、日々の基準価額の上昇率は同じです。
ひふみ投信とひふみプラスの違いを比較
では、「ひふみ投信」と「ひふみプラス」の違いはどこにあるのでしょうか?
大きな違いは以下の2点にあります。
- 販売会社の違い
- コストの違い
販売会社の違い
「ひふみ投信」と「ひふみプラス」の最大の違いと言えるのが販売会社です。
以下の表にそれぞれの特徴をまとめました。
ひふみ投信 | レオス・キャピタルワークスに口座を開設することで直接購入することができる |
---|---|
ひふみプラス | 銀行や証券会社を通じて購入することができる |
ひふみ年金 | 確定拠出年金制度に対応した金融機関を通して購入することができる |
ご覧のとおり、「ひふみ投信」はレオス・キャピタルワークスで直接購入することができる投資信託で、「ひふみプラス」は銀行や証券会社を通じて購入することができる投資信託なのです。
そして「ひふみ年金」は確定拠出年金制度に対応した金融機関を通して購入することができます。
ファンドの中身は同じでも、販売会社が異なることから名前がそれぞれ区別されているんですね。
これまでお伝えしてきたひふみシリーズの違いの全体像を以下の図にまとめました↓
コストの違い
「ひふみ投信」と「ひふみプラス」の2つ目の違いがコスト体系です。
以下に「ひふみ投信」と「ひふみプラス」、「ひふみ年金」のコストを比較した表を載せています。
ひふみ投信 | ひふみプラス | ひふみ年金 | |
購入時手数料 | なし | 0%∼3.3% *販売会社によって異なる | 0%∼3.3% *販売会社によって異なる |
信託報酬(年率) | 1.078% | 1.078% | 0.836% |
信託財産留保額 | なし | なし | なし |
レオス・キャピタルワークスの直販投信である「ひふみ投信」は購入時手数料と解約時にかかるコストである信託財産留保額の負担はありません。
一方、「ひふみプラス」や「ひふみ年金」は購入時手数料がかからない場合もあれば、最大で3.3%取られることもあります。
これは「ひふみプラス」や「ひふみ年金」を取り扱っている販売会社によって異なるからです。
対面型の銀行や証券会社であれば購入時手数料がかかるケースが多いので、手数料がかからないネット銀行やネット証券を活用するようにしましょう。
「ひふみ投信」も「ひふみプラス」も信託報酬は1.078%で共通していますが、どちらも信託報酬を逓減させる制度を設けており、その内容が異なります。
商品名 | 信託報酬 |
ひふみ投信 | 資産形成応援団(信託報酬一部還元方式)によって保有期間に応じた実質的な割引制度あり 【通常時】年率1.078% (税抜年率0.98%) 【保有期間5~10年】税抜年率で0.2%実質割引 【保有期間10年~】税抜年率で0.4%実質割引 |
---|---|
ひふみプラス | 純資産総額に応じて信託報酬が逓減される方式 【純資産総額500億円まで】…年率1.078%(税抜年率0.98%) 【純資産総額500億円を超える部分】…年率0.968%(税抜年率0.88%) 【純資産総額1000億円を超える部分】…年率0.858% (税抜年率0.78%) |
ひふみ年金 | 0.836% |
「ひふみ投信」には資産形成応援団という信託報酬の一部を還元する制度が設けられています。
これは5年以上保有している「ひふみ投信」の口数について、信託報酬の一部相当額を還元することによって信託報酬を実質的に割り引くという制度です。
還元率は5年以上保有している場合に0.2%、10年以上保有すると0.4%となります。
この還元する資金をもとに「ひふみ投信」の買い付けが行わますので、現金で戻ってくるのではなく、実質的に信託報酬が割引されるという点にご注意ください。
この制度を踏まえると、レオス・キャピタルワークスの投資哲学や理念に共感し、長期でひふみに投資をしたいという方は「ひふみ投信」への投資がおすすめです。
一方、「ひふみプラス」は純資産総額に応じて信託報酬が逓減されていきます。
純資産総額が500億円未満の部分は信託報酬が年率1.078%ですが、純資産総額が500億円を超えると超えた部分の信託報酬が年率0.968%、1000億円を超えると超えた部分が0.858%となります。
ひふみ投信とひふみプラスのどっちに投資するべき?
では、これまで説明してきた「ひふみ投信」と「ひふみプラス」の違いを踏まえたうえで、どっちに投資をすべきかといった悩みにヒントを提示していきます。
まず前提として、どちらに投資をしても運用成績面では変わらないので、基本的にはどちらに投資をしても問題ありません。
では、敢えてレオス・キャピタルワークスに口座を開設して「ひふみ投信」への投資をおすすめできるのは以下のような方になります。
- 5年や10年単位の長期投資を考えている
- 直販限定のイベントやセミナーに参加したい
「ひふみ投信」に投資をすることによって最大の恩恵を受けられるのが資産形成応援団による長期保有の実質割引制度です。
なので、ひふみの投資哲学や理念に共感したうえで、ひふみ投信に5年や10年以上の長期投資をしていきたいという方は「ひふみ投信」への投資がおすすめです。
また、レオス・キャピタルワークスで口座を開設すると直販のお客様限定のセミナーやイベントも用意されているので、そういったセミナー等を活用しつつ長期でひふみと寄り添っていきたいと考えている人にもおすすめできます。
レオス・キャピタルワークスで口座を開設した場合もNISAやつみたてNISAといった非課税制度を利用できますので、ぜひ活用してくださいね。
ちなみに「ひふみ投信」への最小投資金額は1000円からとなります。
一方、「ひふみプラス」への投資がおすすめできる人は以下のような方です。
- 既に銀行口座や証券口座を持っている
- 少額から投資がしたい
既に口座を保有している銀行や証券会社が「ひふみプラス」を取り扱っているのであれば、新たに口座を開設することなく、すぐに「ひふみプラス」に投資ができます。
あまり銀行口座や証券口座を増やしたくないという方には「ひふみプラス」がおすすめです。
ただ、対面型の銀行や証券会社だと購入時手数料が取られるケースがありますので、その点は注意してくださいね。
また、少額から投資をしたいといった方も「ひふみプラス」がおすすめです。
直販の「ひふみ投信」も1,000円からの少額投資が可能ですが、楽天証券やSBI証券を通じて購入すれば「ひふみプラス」は100円から投資が可能です。
「ひふみプラス」への投資を考えられているのであれば、人気のネット証券口座「楽天証券」がおすすめです。
楽天証券だと「ひふみプラス」の購入時手数料はかからないですし、100円からの少額投資もできます。
NISAやつみたてNISAといった非課税制度も活用できますし、楽天証券は楽天カードを利用した積立投資ができる点に大きな魅力があります。
まとめ:大きな違いは販売会社とコスト
以上、レオス・キャピタルワークスが運用を手掛ける人気のアクティブファンド「ひふみ投信」と「ひふみプラス」の違いについて説明させていただきました。
改めてまとめると、どちらも「ひふみ投信マザーファンド」に投資を行っているので、組入銘柄や運用成績といった中身は同じです。
大きな違いとしては、販売会社とコストの2点が挙げられます。
最も重要なファンドの中身や運用成績は同じなので、基本的にはどちらに投資をしても問題はありません。
ただ、長期保有による実質的な割引制度の有無は大きく異なりますので、ひふみの運用哲学に共感し、長期での投資を考えている方はレオス・キャピタルワークスに口座を開設して「ひふみ投信」に投資をすることをおすすめします。
本記事が「ひふみ投信」や「ひふみプラス」への投資を考えている方の参考になれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。