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生活防衛資金はいくら必要?役割と目安の金額を解説します!

生活防衛資金はいくら必要?役割と目安の金額を解説します!
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資産形成に取り組むにあたって、災害や病気、失業など不測の事態に備えた「生活防衛資金」の準備はできていますか?

・投資を始める際に生活防衛資金の構築が必要って聞いたけど、本当?
・そもそも生活防衛資金の役割がイマイチ分かってないし、どれくらい貯めればいいの?

上記のような生活防衛資金に関する疑問を抱えていらっしゃる方も多いと思います。

そこで、本記事では生活防衛資金の役割や必要となる金額の目安について解説していきます。

特に「生活防衛資金をいくら用意すべきか」といった問いに関しては、著名な方でも意見が違いますし、私自身も結構考えました。

結局のところ、私は生活防衛資金の目安として余裕が持てる月の生活費(20万円)の半年分で120万円用意しています。

ただ、この問いには正解がなく、自身の属性と想定する最悪のシナリオに基づいて決定することが非常に大切だと考えています。

本記事を読んでいただければ、あなたに必要な生活防衛資金の目安を算出するヒントが得られるかと思いますので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

生活防衛資金が果たす役割とは

生活防衛資金とは、簡単に言うと有事の際に自分を守るための資金のことです。

生活防衛資金を構築しておくことで、病気や災害、交通事故、失業といったような不測の事態が起こった時でも生活水準を落とさずに生活をすることができます。

特に今申し上げてきた事例に関しては、治療や居住費の確保、就労復帰・再就職といったように数ヶ月から数年のスパンで収入が得られない可能性もあるのでいざという時のためにお金を用意しておくことが重要なのです。

また、投資を行う上でも生活防衛資金を構築しておくことは非常に重要です。

投資を長期間にわたって継続していると、○○ショックのような大暴落に巻き込まれることも少なくありません。

その際に、生活防衛資金が別で用意できていれば焦って資産を売却する可能性も少なくなります。

東条翔平
東条翔平
実際に私もコロナショックで一時は-30%ほどの大暴落を経験しましたが、生活防衛資金を構築していたおかげで耐えることができました。

生活防衛資金に必要な条件

生活防衛資金として満たしておきたい条件が「流動性」と「安全性」の2つです。

「流動性」とは、すぐに換金できるかどうかということです。

例えば、日常生活でよく使う銀行の普通預金は、すぐにATMでお金を引き出すことができるので流動性が非常に高いと言えます。

株式や債券などの金融資産も売却することで現金化することはできますが、受渡日は取引日から起算して3営業日目になるので普通預金と比べると若干流動性が劣ります。

「安全性」は、元本を毀損しないかどうかです。

普通預金は預けていてお金が減ることはないので安全性が非常に高いと言えます。(インフレリスクは考慮していません)

一方、株式は増えることも減ることも想定されることから安全性は低いです。

この「流動性」と「安全性」の観点から生活防衛資金として想定される金融商品をプロットしたのが以下の図になります↓

生活防衛資金で満たしておきたい条件

やはり、「流動性」と「安全性」の双方の条件を満たす、銀行の普通預金が生活防衛資金の預け先としてはおすすめです。

≫生活防衛資金の預け先はどこがいい?おすすめは普通預金!

生活防衛資金はいくら必要?目安を紹介!

では、生活防衛資金はいくら用意すればいいのでしょうか。

冒頭でもお伝えしたように、私の結論としてはこの問いには明確な答えがなく、自身の属性と想定する最悪なシナリオに基づいて決定すべきだと思っています。

ただ、私自身は生活防衛資金の必要金額を120万円と設定しているので、その金額に至った理由をこれから説明させていただきます。

また、著名な方々の生活防衛資金に関する考え方も併せて紹介していきますので、そちらも参考にしていただけるのではないかと思います。

生活防衛資金は生活費3ヶ月で十分!?

生活防衛資金がいくら必要かといった問いに対しては様々な見解がありますが、少ない金額の多数派が生活費の3ヶ月分だと思います。

著名な方だと、経済評論家の山崎元さんが生活防衛資金は生活費の3ヶ月分で十分だと述べています。(参照:『投資に回さない「生活防衛資金」は3ヶ月分で十分といえる理由』)

山崎さんが生活防衛資金は生活費の3ヶ月分で十分という結論に至った理由が以下です。

「富裕層には生活費2年分がいいかもしれないけれど、普通のサラリーマンが2年分のお金を別途貯めるまで投資を始められないとしたら、なかなか投資に取り掛かることができないな」と疑問を感じていた。そして、「株式や投信は部分売却ができて十分な流動性があるのだから、生活防衛資金は3ヶ月分くらいで十分だ」という意見に至った。

DIAMOND online 『投資に回さない「生活防衛資金」は3カ月分で十分といえる理由』 より

お金は使うためにあるという考え方に基づいて、投資をしながら予定外の大きな支出が必要になった場合は躊躇なく株式や投信を部分的に解約すればいいという意見です。

この意見のいいところは、生活防衛資金の必要金額が相対的に少なくて済むので資産形成をはじめたてのサラリーマンでも貯めるハードルがグッと下がるということです。

一方で困るのは、相場が暴落している時に資金が必要となってしまった場合ですね。

貯めておいた生活防衛資金を取り崩した後に、暴落している株や投資信託を売却するのはかなり精神的にしんどいかと思われるのでその点は注意しましょう。

生活防衛資金は生活費2年分が必要!?

続いて生活防衛資金の目安を生活費の2年分としている考え方を紹介します。

インデックス投資のバイブル本『お金は寝かせて増やしなさい』の著者である水瀬ケンイチさんは書籍の中で生活防衛資金の目安を生活費の2年分と述べています。

「世の中でなにが起きようが、会社が倒産しようが、クビになろうが、絶対に自分と家族の生活を守るという一点をベースにして、投資戦略を考えるべきなのです」という考え方に強く賛同するとともに、「職を失うというリスクに対しては、最低2年はみておきたい」という目安を妥当だと考えたため、自分の投資戦略として採用したものです。

『お金は寝かせて増やしなさい』水瀬ケンイチ p59より

先ほど紹介した生活防衛資金は生活費の3ヶ月分という考え方と比較すると生活費の2年分はかなり多く感じると思います。

水瀬さんは2011年に起こった東日本大震災のことを思い出すと、生活の再建にあたって食料の確保に始まり、けがの治療、居住地の確保、仕事への復帰など、いろいろな段階を踏む必要があり、生活費の3ヶ月分や半年分では心もとないと感じたそうです。

リストラや長期入院などの個人的な問題であれば生活防衛資金は少な目でも対応できそうですが、災害大国日本において今後も大規模な災害が起こる可能性を想定すると生活防衛資金が生活費の2年分あるとかなり安心できると思います。

また、水瀬さんはリーマンショックや東日本大震災による相場の暴落も経験しており、この時に生活防衛資金は生活を守ってくれるだけでなく、心の安定も守ってくれる副次的な効果もあったと述べています。

生活防衛資金は生活費6ヶ月分でよし!?

最後に私の生活防衛資金の目安の考え方について紹介させていただきます。

私は様々な生活防衛資金に関する情報に触れた結果、ちょっと余裕が持てるレベルの月間生活費の半年分(6ヶ月)を目標金額に定めました。

これを数字に落とし込むと、ちょっと余裕が持てる月間生活費(20万円)×6ヶ月=120万円です。

現在、月に20万円も支出をしている訳ではありませんが、有事の際にゆとりが持てるように設計しています。

生活防衛資金を構築する際に言えるのは、

  • 生活防衛資金はあるに越したことはないということ
  • 想定するシナリオと属性(家族環境など)で大きく変わるということ

の2つです。

私の場合、属性は20代の独身で、シナリオを転職(失業)と想定して生活防衛資金の目安を算出しました。

生活費の6ヶ月分と定めたのは、上記で紹介した生活費3ヶ月分と2年分の中間的な発想からです。

やはり生活費の3ヶ月分だと有事の際に少し心もとないし、かといってコントロールできない災害に備えて生活費の2年分を貯めるのも大変だと思いました。

なので、生活防衛資金として流動性、安全性を兼ね備えた銀行の普通預金に生活費の6ヶ月分をプールして、生活防衛資金が足りなくなった時には株や投資信託を売却しようと考えています。

そして、20代で独身という属性で、シナリオを転職(失業)で想定しているため、生活防衛資金の金額が相対的に少なくてもなんとかやっていけるだろうと考えています。

もちろん、結婚したり、家族が増えることになれば生活防衛資金の金額は引き上げる予定です。

一応、私の考え方についても参考にしていただければと思います。

生活防衛資金の貯め方

最後に生活防衛資金の貯め方を紹介します。

生活防衛資金を構築するにあたって重要なのが、生活防衛資金用の口座を作成すること貯める仕組みを作ることです。

生活防衛資金用の口座を作成する

もしかすると、「生活防衛資金は別に日常で使っている銀行口座で良くない?」と思った方もいるかもしれません。

ただ、個人的には日常生活用の銀行口座とは別に生活防衛資金用の銀行口座を作成することをおすすめしています。

理由は口座ごとに用途を色分けしておくことによって目的が明確になるからです。

もし、日常生活用の銀行口座と生活防衛資金を一緒にしてしまうと線引きが分からなくなってしまいます。

この場合、はっきりと生活防衛資金がいくら貯まっているのかが分からないのが非常に難点です。

生活防衛資金を貯める仕組みを構築する

生活防衛資金用の口座を作成したら、生活防衛資金を貯める仕組みを構築しましょう。

私は自身で定めた生活防衛資金の目標金額に到達するまでに以下の3つのルールを制定しました。

  1. 有事の際以外は絶対に引き出さないこと
  2. 毎月一定額を入金する
  3. ボーナスなど+αの入金を行う

生活防衛資金用の口座と色分けしているため、有事の際以外は絶対に引き出さないようにしています。

そして、目標金額に到達するまでは毎月の給与から無理のない範囲でこの生活防衛資金用の口座に入金することにしていました。

加えて、ボーナスや他の臨時収入が入ってきたときなどはこちらの口座に入金し、一気に目標金額までブーストしていったという感じです。

このように目標金額を明確にし、貯める仕組みを構築したことによって私は生活防衛資金を準備することができました。

まとめ:生活防衛資金の目安は人それぞれ

以上、生活防衛資金の役割と必要金額の目安、貯め方について紹介させていただきました。

改めてまとめると、生活防衛資金は災害や病気、失業といった不測の事態が起こった際に自分と家族を守る役割を果たします。

人によって家族環境や属性が異なるため、生活防衛資金にいくら必要といった絶対解は存在しません。

つまり、自身の状況やどういうシナリオを想定するかに照らし合わせて生活防衛資金の目標金額を定めることが大切です。

基本的には自身の生活費の〇ヶ月分という考え方をベースに、想定するシナリオとどれくらい余裕を持たせたいかという点を加味して目標金額を決めるといいと思います。

もし、自分の月間の生活費が分からないという方がいらっしゃれば、これを機に家計簿をつけてみてはいかがでしょうか。

おすすめの家計簿アプリはマネーフォワードMEで、私もずっと愛用しています。

本記事が生活防衛資金を構築しようと考えている方の参考になれば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

ABOUT ME
東条翔平
資産形成に興味を持ち、学生時代にAFP資格を取得。大学4年生からつみたてNISAをはじめ、現在まで継続中。大手証券会社に勤務していた経験あり。