つみたてNISAやiDeCoの投資対象として「年金積立Jグロース(愛称:つみたてJグロース)」を考えている人も多いと思います。
そのような方は特に「年金積立Jグロース」の評価や評判が気になっているのではないでしょうか?
そこで、本記事では「年金積立Jグロース」の基本情報や特徴、組入銘柄、運用成績、評判を紹介していきます。
これから「年金積立Jグロース」に投資をしようか迷っている人や既に保有していて今後どうすべきか悩んでいる人にとって参考になる内容かと思いますので、ぜひ最後までご覧いただければと思います。
- 徹底したボトム・アップリサーチで国内の勝ち組企業に投資をしている
- 10年以上にわたってTOPIXを上回る運用成績を残している
- 20年にわたる運用を続けており、国内でも有数の息の長いファンド
年金積立Jグロースの基本情報
まずは「年金積立Jグロース」の基本情報をまとめました。
ファンド名 | 年金積立Jグロース |
運用会社 | 日興アセットマネジメント |
設定日 | 2001年10月31日 |
決算日 | 毎年6月25日 |
購入時手数料 | 2.2%(上限) |
信託報酬 | 0.902% |
実質コスト | 0.959% |
信託財産留保額 | なし |
つみたてNISA | 対応 |
iDeCo | 対応 |
備考 |
「年金積立Jグロース(愛称:つみたてJグロース)」は日興アセットマネジメントが運用を手がけている投資信託です。
投資対象は国内の大型株式が主で、モーニングスターのカテゴリーは国内大型グロースに分類されています。
設定日は2001年10月31日で、決算日は毎年6月25日です。
購入時手数料は販売会社によって異なるものの、上限は2.2%と設定されています。(つみたてNISAの場合は購入時手数料はかからない)
楽天証券などの主要ネット証券を活用すれば購入時手数料はかかりません。
アクティブファンドのため、信託報酬は0.902%と高く設定されているのがデメリットと言えます。
売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用を加味した実質コストは0.959%です。
解約時にかかるコスト、信託財産留保額はありません。
年金積立Jグロースの特徴
「年金積立Jグロース」の投資対象は国内株式ですが、中でも今後の成長が期待できる企業、自己資本利益率が高い企業、株主への利益還元が期待できる企業に投資を行っています。
これらの企業に投資を行うことでTOPIXを上回る投資成果の獲得を目指しているアクティブファンドです。
中でも特徴的なのが、徹底したボトム・アップリサーチで勝ち組成長企業の選定を行っているという点にあります。
ファンドマネージャーとアナリストが直接企業を訪問し、収集した情報やデータをもとに投資銘柄を厳選することで高いパフォーマンスを発揮しています。
特に財務基盤をはじめ、経営能力、事業環境、競争力を見極めることを重要なポイントと定めています。
2021年11月30日時点の組入上位10銘柄は以下の通りです。
銘柄 | 組入比率 | 【参考】TOPIX 組入比率 | |
1 | ソニーグループ | 5.25% | 3.28% |
2 | キーエンス | 3.08% | 2.41% |
3 | トヨタ自動車 | 2.56% | 3.84% |
4 | カチタス | 2.46% | 0.04% |
5 | 商船三井 | 2.23% | 0.13% |
6 | HOYA | 2.14% | 1.33% |
7 | ダイキン工業 | 2.10% | 1.12% |
8 | 信越化学工業 | 2.04% | 1.21% |
9 | 東海旅客鉄道 | 1.93% | 0.49% |
10 | イビデン | 1.91% | 0.14% |
組入上位10銘柄に関してはTOPIXのウエイトよりも大きくなっていることからファンドマネージャーが自信を持って選んだ企業と言えます。
組入銘柄は全部で123銘柄あり、上位の3業種は「電気機器」が23.61%、「情報・通信業」が8.9%、「サービス業」が8.39%となっています。
決算期ごとの運用成績
積立年金Jグロースの12期から20期までの直近9年間の運用成績をまとめました。
基準価額 | 期中騰落率 | 純資産総額(百万円) | |
2013/6/25(12期) | 12,062 | 53.80% | 4,958 |
2014/6/25(13期) | 15,220 | 26.30% | 6,923 |
2015/6/25(14期) | 20,750 | 36.40% | 10,477 |
2016/6/27(15期) | 17,186 | -17.10% | 10,929 |
2017/6/26(16期) | 22,424 | 30.50% | 15,763 |
2018/6/25(17期) | 25,413 | 13.30% | 23,364 |
2019/6/25(18期) | 23,591 | -7.20% | 24,808 |
2020/6/25(19期) | 25,898 | 9.80% | 29,334 |
2021/6/25(20期) | 33,894 | 30.90% | 42,661 |
「年金積立Jグロース」は運用期間が20年と非常に長く運用を続けていますが、直近9年の動きを見ても基準価額、純資産ともに緩やかな右肩上がりが続いていますね。
20年の運用期間で純資産総額が約426億円というのは物足りなくも感じますが、規模としては問題ないですし、長期にわたって愛され続ける息の長いファンドは数少ないです。
続いて「年金積立Jグロース」の1年、3年、5年、10年といった期間別のトータルリターン、標準偏差、シャープレシオをまとめました。
1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | 10年(年率) | |
トータルリターン | 10.94% | 11.93% | 12.10% | 16.33% |
カテゴリー順位 | 79位(215本中) | 71位(203本中) | 42位(187本中) | 12位(122本中) |
標準偏差 | 9.62 | 18.35 | 15.79 | 16.86 |
カテゴリー順位 | 78位(215本中) | 163位(203本中) | 66位(187本中) | 30位(122本中) |
シャープレシオ | 1.14 | 0.65 | 0.77 | 0.97 |
カテゴリー順位 | 83位(215本中) | 74位(203本中) | 44位(187本中) | 9位(122本中) |
5年や10年といった長期スパンにおいて年率10%を超えるリターンを出しています。
特に10年の期間では同じ国内大型グロースのカテゴリー内で上位10%に入る好成績です。
運用の効率性を示すシャープレシオは優秀なファンドの目安とされる1を超えてはいませんが、10年の期間では同カテゴリー内で9位(122本中)と相対的に良好な運用成績を残しています。
【評判】月次の資金流出入の推移
「年金積立Jグロース」の評判を客観的に知るために月次の資金流出入額のグラフを見ていきましょう。
ファンドの資金が流入しているということは「年金積立Jグロース」を購入している人が多くなっているということですし、逆に資金が流出している場合は運用成績に満足できずに解約した、もしくは利益確定等で売りが出ているという風に読み取れます。
以下が2021年11月30日時点の「年金積立Jグロース」の月次資金流出入額のグラフです。
資金流出に転じている局面も多少は見られますが、圧倒的に資金流入額が多くなっていることから評判は悪くなさそうです。
運用歴もかなり長いファンドですし、つみたてNISAやiDeCoを通して積立投資を行っている人もいることから今後も安定的に資金の流入が続いていくのではないでしょうか。
まとめ:長期でTOPIXを上回る息の長いファンド
以上、年金積立Jグロースの基本情報や特徴、組入銘柄、決算期ごとの運用成績、評判について紹介させていただきました。
改めてまとめると、年金積立Jグロースは徹底したボトム・アップリサーチで国内の勝ち組成長企業に投資を行うことで実績を上げてきたファンドです。
ファンドの運用歴も20年を超えており、長期間にわたってTOPIXを上回る運用成績を維持しています。
国内では有数の息の長いファンドとして安定的に資金の流入も続いています。
ただ、「年金積立Jグロース」は信託報酬が高いのがデメリットです。
10年以上にわたってTOPIXを上回る運用成績を上げているファンドなので、つみたてNISAやiDeCoを通じて投資をするのはアリだと思いますが、インデックスファンドよりもコストが高いという点はしっかりと認識しておいてください。
本記事が年金積立Jグロースへの投資を検討している方の参考に少しでもなれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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